運動不足や女性ホルモンなどに左右され、遺伝も関係する、高齢の女性に多い病気と思われがちな骨粗しょう症。

遺伝の要素もあるため、若いうちから注意が必要な人も。
若い女性も骨粗しょう症には要注意-過度なダイエットや遺伝が要因に?

骨がもろくなり、骨折しやすくなる骨粗しょう症

骨を作っているカルシウムやコラーゲンが減少して骨がもろくなる病気が「骨粗しょう症」です。

特に、背骨や大腿骨頸部などに骨折を起こしやすくなります。

骨粗しょう症の原因は、骨量が減ることです。

骨は、たんぱく質のコラーゲン繊維でできた「鉄筋」の周りに「コンクリート」に当たる、リン酸カルシウムが沈着しています。

骨量は思春期に急増してピークを迎え、その後も絶えず古い骨が新しい骨に入れ替わりながら現状の骨量をキープしています(リモデリング)。

これは破骨細胞が、骨基質のコラーゲンやリン酸カルシウムを分解すると、そこに骨芽細胞が新しい骨を形成するためです。

女性は閉経後に骨量が急激に減るので注意して

成人期は、破骨細胞の骨吸収と骨芽細胞の骨形成のバランスが保たれていますが、女性は閉経後、女性ホルモンの減少によってにこのバランスが崩れてしまい骨量が急激に低下します。

新しい骨を作る骨芽細胞の働きが追いつかず、骨がもろくなってしまうのです。

特に背骨は、もろくなると体重や少しの刺激で圧迫骨折を起こしつぶれてしまうことがあります。

こういった圧迫骨折は腰痛などの原因になることもありますが、痛みを感じないことも多いのです。

身長が縮んだり背中が丸くなったりして気づくケースもあります。

高齢の場合は転んで大腿骨頸部に骨折を起こすと寝たきりになってしまう場合もあります。

骨密度を増やすため、若いうちからやっておきたいこと

将来、骨粗しょう症にならないために今できることは何でしょうか。

まず、成長期は骨を作る大切な時期ですから無理なダイエットは禁物です。

そして、骨粗しょう症は骨折を起こさなければ痛みがないことも多いため、年代に関わらず定期的に骨密度の測定をして現状を把握しておきましょう。

骨粗しょう症の人が家族にいる場合は、遺伝的に骨粗しょう症を起こしやすいといわれているため、特に注意が必要です。

日頃から、食事でカルシウムを積極的に摂ったり、体内のビタミンDを作るため太陽の光を1日30分~1時間程度浴びるなど、骨を強くする生活を心がけましょう。

また、無重力の宇宙で過ごすと骨量が低下することから、骨量を増やすためには骨に負荷をかけることも重要とされています。

骨の健康のためにもウォーキングや階段昇降など、毎日無理なくできる運動を積極的に生活の中に取り入れましょう。

執筆/監修:株式会社からだにいいこと


澤田めぐみ(さわだ・めぐみ)

【お話を伺った人】澤田めぐみ(さわだ・めぐみ)

内科医。東京医科歯科大学医学部卒。「医学を学ぶのは医師を目指す人たちだけ」という現状に疑問を抱き、「賢い医療消費者を育てたい」という思いから、2011年に日本で唯一の小中学生を対象とした医学教室「とうきょうキッズメディカルスクール」を開校。著書に『医師に聞けないあんな疑問 医師が解きたいこんな誤解』(メディカルトリビューン)がある。