食後は毎回しっかり歯磨きして歯のケアは万全! と思っているあなた、それ実は問題ありなんです。
食後すぐに歯磨きをしてはいけない!爪楊枝もNG

歯磨きは増えても歯周病は国民病

子どもの頃「食べたらすぐ歯磨きしなさい!」と母親にしつけられた人は多いのでは。

でもこの「食後すぐに歯を磨く」のがいいという常識、実は世界では非常識な歯磨き方法です。

もともとは、かつて「1日3回、3分間、食後3分以内に歯を磨こう」という「3・3・3」運動が推進され、定着したもの。

おかげで厚生労働省の調査によると、1日2回以上歯磨きする日本人は、昭和44年は20%以下だったのが、平成28年には77%に増加しました。

しかしこれだけ歯磨きしているのに、成人の約8割がかかっているとされる歯周病は未だに国民病です。

歯周病は口臭の原因になり、悪化すると歯を失うのでしっかり防ぎたいもの。そのためのプラーク(歯垢)のコントロールには、「食後すぐに歯磨きさえしていればOK」という思い込みが大きな落とし穴になっています。

食後すぐの歯磨きがNGな理由とは?

食後すぐは、食べ物の影響で口内が酸性に傾きがちです。この状態で一般的な研磨剤入りの歯磨き粉をつけて歯磨きをすると、歯のエナメル質を削り、粘膜を傷めてしまうことに。

また食後は、口内が唾液で満たされています。唾液には殺菌力があり、かつ口内のpHを中性に戻し、削れたエナメル質を再石灰化によって修復に導きます。

しかし歯磨きで唾液を洗い流すと、この効果を活かせません。

歯磨きは「寝る前」と「起床時」の2回がベスト

歯周病を防ぐためのプラークコントロールで重要なのは、口の中の歯周病菌を増やさないこと。

お口の中の細菌が最も増えるのは、唾液が減る睡眠中なので、歯磨きをするのは、寝る前と起床時の2回が◎。

他の先進国では、このタイミングでの歯磨きが推奨されているのです。

また食後に大切なのは、プラークの原因になる歯間の食べかすを取り除き、しっかり唾液の通り道をつくること。

食後すぐは歯磨きでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなどで歯間ケアをして、口をすすげばOKです。

さらに舌をぐるぐる回すなどして、唾液をしっかり出して。

これだけでは歯の表面がザラつく場合は、お口の中のpHが確実に中性に戻る食後1時間以降に歯磨きをしましょう。

爪楊枝も世界の非常識!?

ちなみに、食べかすを取り除くための爪楊枝も、日本の常識は世界とズレが。

日本の爪楊枝は丸形ですが、他国では平型が多数。この丸形は歯のすき間を広げやすいので、歯間にグイグイ突っ込むのはやめましょう。

やはりデンタルフロスや歯間ブラシなどの歯のケアグッズを使うのがベストです。

初めての方は、なるべく細いサイズを選び、無理に押し込んで歯間を広げないように気をつけてください。

執筆/監修:株式会社からだにいいこと


桐村里紗(きりむら・りさ)

【お話を伺った人】桐村里紗(きりむら・りさ)

内科医・認定産業医。
治療より予防を重視し、ヘルスケアをライフスタイルデザインと再定義し、生活者の行動変容を促すコンテンツ開発を行う。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)他。ニオイ解決WEBサイト『ナゼクサ.com』運営。