核家族化が進むとともに、一人暮らしの世帯も年々増加しています。孤独が与える体へのリスクをご紹介します。
孤独は体に悪い|科学的に証明された、深刻な孤独のリスク

ずっと一人で生活していける時代

核家族化が進み、単身者世帯が増加している昨今。内閣府の調査によると、65歳以上の一人暮らしの高齢者は、2015年で592万8千人、2025年には700万7千人になる見込みと、右肩上がりの増加傾向にあります。

これに65歳以下の人も含めると、一人暮らしで孤独を感じている人の数はさらに増えるでしょう。

現在では、インターネットの普及もあり、人と関わりたくなければ、ずっと一人で生活していくことも可能な時代。気づけば、1日中誰とも話していないといったことも、珍しくないのでは。

一人だとウイルスに弱くなる

「一人でも大丈夫」と思っている人に、少しドキッとする研究をご紹介します。

孤独についての研究を行っているシカゴ大学のカシオポ教授は、孤独な環境下にいると、ウイルス感染を予防する抵抗力を弱めると指摘しています。

孤独は敵の襲来にたった一人で立ち向かうようなもの。孤独な状態は脳をサバイバルモードにし、バクテリアなどの外敵と戦うモードにシフト。

すると、体の中のウイルス耐性が下がるというメカニズムがあり、さまざまな病気リスクが高まるのだそう。

遺伝子の働きにも影響が

さらに、日常的に孤独な人は、ストレスの耐性が弱くなっています。そのため、他人の言葉に必要以上に過敏になり傷つきやすくなってしまうそう。

それが、さらに人との交流を遠ざけ、孤独を深めるという悪循環にも。一度、孤独が慢性化すると、自分で抜け出すのはなかなか難しいようです。

このストレス耐性が弱くなっているということが、病気リスクを大幅に増加させることにもつながっています。

孤独が続いていると、体はストレス反応を過剰に刺激して、ストレスホルモンのコルチゾールを増加させます。これにより、高血圧や心臓発作のリスクも増加。

そのほか、遺伝子レベルでも変化が起こり、孤独な人は炎症を起こす遺伝子が活性化し、反対に炎症を抑える遺伝子の働きが抑制されるそう。

感染症や喘息などの病気を悪化させるほか、炎症はさまざまな病気の大元となる症状のため、病気リスクが高まることが予想できます。

孤独のリスクは「1日1箱のタバコ」と同じ

アメリカ・ブリガムヤング大学のホルトランスタッド教授によると、孤独のリスクは「1日タバコ1箱を吸うこと」に匹敵すると言います。

孤独から抜け出すのは、勇気のいることかもしれませんが、新しい趣味にチャレンジしたり、共通の趣味の人を見つけるなどして、少しずつ人と交流する機会を増やし、社会や地域の人と関わるきっかけを作りましょう。

近隣の人と会ったらあいさつをするという小さなことからも、変われる可能性が十分にあります。

出典:高齢者の家族と世帯
Lonely? You May Be More Likely to Get Sick
Social Relationships and Mortality Risk: A Meta-analytic Review

執筆/監修:株式会社からだにいいこと