ウェットティッシュや手の除菌ジェルを常に持ち歩いたり、電車やバスのつり革をハンカチで覆ってから掴んだり。

これは単なるキレイ好き? または潔癖症? もしかしたら、強迫性障害かもしれません。

その違いと治療法などをまとめました。
芸芸能人にも多い潔癖症は強迫性障害なの? きれい好きと強迫性障害の違い

20歳代で発症する強迫性障害

強迫症・強迫性障害のことを、英語の疾患名を訳してOCD(Obsessive Compulsion Disorder)ともいいます。

トイレに行くと自分が汚れてしまった気がして長時間かけて手を洗う、玄関のドアの鍵を閉めたか不安にあり、何度も確かめないと不安でいられなくなるなどさまざま。

こういった症状の発症はだいたい20歳前後。女性は、結婚や出産など生活の大きな変化で発症するケースが多いそう。

日本国内の調査によると、OCDの発症平均年齢は、男性22歳、女性24歳となっています。

強迫性障害の主な症状は、この5つです。

1)汚染・洗浄
何度も手を洗っているのにきれいになった気がしない。

2)確認
ドアの鍵を閉めたか気になって、何度も確認してしまう。

3)加害
自分のせいで人を傷つけてしまわないか不安。

運転などでは、誰かをひいてしまったのではないかという思いから、現場を確認に戻ったりする。

4)不吉・道徳・儀式
嫌な考えやイメージが頭をよぎったり、離れなくなったりする。

例えば、右足から歩き始めないと不幸な事が起こると考えそれができないと極端な不安に襲われる。

5)数字などへのこだわり
数や色、順番、サイズなどに対して、自分なりのルールがあり、そのことに過剰にとらわれる。

自分で不吉と考える数字に当たった場合、いてもたってもいられなくなる。

これらの症状の現れ方は人それぞれ。ひとつだけではなく、複数の症状を抱える人も多くいます。

このなかでも代表的な症状としてあげられるのが、1の汚染・洗浄です。

汚いものを避けたり、几帳面に洗ったりする面は、きれい好きや潔癖症と言われる人たちと同じ。

では、強迫性障害の場合はどこが違うのでしょうか。

まず、きれいな状態が好きだから率先してその状態を維持するために行動しているのではれば、それはその人の性格で、きれい好き・潔癖症と考えられます。

芸能人で、部屋が完璧にきれいにしている人、除菌ジェルを常に持ち歩いている人などは、きれい好き、または潔癖症。

これが、強迫性障害の場合、目には見えなくても頭の中で想像した汚れまでが気になり、それが次第に増殖するイメージを頭のなかで浮かべます。

そして、その汚れがどんどん広がり、自分に悪影響を与えるのかという危機感を抱くまでに陥ります。

その対象は、特定の人や物、ウイルスなど。

本人がどう思うかで対象が決まるので、実際に不潔でなくても汚染と判断し、それを極端に避けたり、その部分を洗浄したりしてしまうのです。

大幅に範囲を超えて洗浄してしまう

強迫性障害で汚染強迫の人は、いくら洗っても汚れが残っているように感じ、洗浄をどこで終えたらいいのかわからなくなってしまいます。

例えば、お風呂に入る場合、石鹸やシャンプーを大量に使って洗い、今度はお湯を大量に使ってすすぐ。

それでも残っているのが気になり、何時間もかかってしまい、ひどく疲れてしまうのです。

でも、本人としてはこれをやらないわけにはいかないのです。このように、時間はもちろん体力も洗浄に注いでしまうため、ほかの日常生活に支障がでてきます。

さらに、何回洗ったら終わりにしようと自分でルールを決め、それがきっかけで例えば「5」といった数にこだわる強迫性障害になる人もいます。

治療で悪循環を断ち切る!

強迫性障害の治療は、この10年で大きく飛躍し、適切な治療をすれば回復ができるようになってきたと言われています。

その治療の柱となるのが、薬物療法と認知行動療法です。

2つを併用すると効果が高いと言われていますが、個人差があるので一概には言えないのが現状です。

薬物療法は、うつ病などの治療にも用いられる抗うつ薬を用い、脳内の神経伝達物質のひとつ「セロトニン」の量を調整します。

早い人では、2~3週間で効果が軽減するという報告もあります。

認知行動療法は、心理学を用いた治療法です。

「暴露反応妨害(ばくろはんのうぼうがい)」といい、自分が恐れていた状況に自ら身を置き、状況を受け入れる体験をしていきます。

その経験を重ねることで不安感が下がっていくのです。

強迫性障害は、自分の強迫観念に従って強迫行為をすることで、さらに強迫観念を強めるという悪循環に陥ります。

これを断ち切るためには、上記の症状で当てはまるものがある場合は自分で判断せずに、まず精神科や心療内科を受診し、正しい診断を受けましょう。

いち早く治療を開始することが、よりより効果につながります。

執筆/監修:株式会社からだにいいこと