休日はどのように過ごしていますか。たっぷりと寝て過ごす休日も悪くはないのですが、昨今は丸一日動かずに過ごすよりも、適度に身体を動かす方が健康的に休息できると言われています。

『死ぬまで健康でいられる5つの習慣』の著者である脳神経外科医の菅原道仁先生に、美と健康の観点から望ましい休日の過ごし方について伺いました。

活動しながらしっかり休む

トレーニングのあとにストレッチやマッサージをしながらクールダウンする方法を「アクティブレスト」と呼びます。

運動後の筋肉には疲労物質である乳酸が溜まっていますから、適度に身体を動かして血流を促進し、蓄積した物質を流してしまおうというわけです。

そうすることで疲労がいち早く回復するだけでなく、ケガなどのトラブル軽減にもつながると言われています。

昨今はアクティブレストを日常生活にも取り入れる人が増えてきました。

平日の疲れを癒そうと、休日は丸一日ベッドでゴロゴロという人もいるかもしれませんが、適度に身体を動かしながら過ごす方が心身のリフレッシュにつながります。

「人間の身体は『動く』ことを基本に作られていますから、健康のためには適度に運動する方が良いのです。

しかも、運動は身体だけでなく、脳の発達やメンタルヘルスにも良いことが分かっています。抗鬱剤よりも適度なランニングの方が有効だと主張する論文があるくらいです。

だからといって、苦手なスポーツに嫌々取り組んでもダメ。自分が好きなことを楽しみながら続けることが理想です」

ジョギングやテニス、ゴルフなど、趣味のスポーツがある人は積極的に取り組みましょう。

その反対に運動をする習慣のない人は出来ることから始めましょう。突然過度な運動をするとケガをするケースもありますから、初めは早歩きの散歩がおすすめです。

「脈拍が少し上がるくらいのペースが良いですね。脈拍が150を超えるようだと負荷が大きいので、まずは脈拍100超を目安にしましょう」

散歩を継続するコツは楽しいと思える目的を持つこと。

たとえば、普段は通り過ぎる駅で降りて周辺を散策してみたり、最近会っていない友人を訪ねたり、話題のお店まで一駅余計に歩いてみたり。

新しい街の風景や友人とのお喋りは脳にとって良い刺激になります。

美魔女は一日にしてならず

休日を楽しく過ごすアクティブレスト。菅原先生も日々実践しているそうです。

「いま健康だと将来もずっと健康だと思いがちですが、そんなことはありません。健康は誰にでも与えられるものではなく、自分で作っていくものです。

将来も健康でいられるように、僕は適度な運動をすることと、食事は腹八分目にすることを心掛けています。それからワクワクするような人生の目的を持つことも大切です」

たとえば、「世界遺産をすべて見る」という人生の目的があれば、世界中のどこにでも旅が出来る自分でいたいと思うはず。

自分の足で元気に移動するためには、運動能力を損なう危険性のある脳梗塞や骨折などはとことん避けなければなりません。

あるいは、憧れの女優さんのように、いつまでも若くて美しい自分でいたいなら、いくつになってもハイヒールが履ける身体作りを心がけるべきです。

健康的な食生活と適度な筋力トレーニングはもちろんのこと、シミ・ソバカスを防ぐために日焼けに注意することも大切でしょう。

「どんな人生を選択するかで、予防すべき病気が決まってきます。日本人の平均寿命は年々長くなっていますが、その間ずっと健康でいられるとは限りません。

日常的に介護を必要としないで自立した生活ができる生存期間(健康寿命)と、平均寿命との差は男性で9年、女性で13年もあります。

言い換えれば、9年間ないし13年間は誰かの手を借りながら生きる可能性があるということ。

健康寿命を延ばして、一日も長く人生を楽しむために、いまから健康的なライフスタイルを意識してくださいね」

(編集・制作:いまトピママ)

この記事は2015年10月に執筆されたものです。


菅原道仁(すがわら・みちひと)

【お話を伺った人】菅原道仁(すがわら・みちひと)

1970年生まれ。菅原脳神経外科クリニック院長。現役脳神経外科医。杏林大学医学部卒業後、国立国際医療センター入局。クモ膜下出血や脳梗塞といった緊急の脳疾患を専門とし、2000年、救急から在宅まで一貫した医療を提供できる医療システムの構築を目指し、脳神経外科専門の北原脳神経外科病院に身を投じる。2007年副院長に就任。毎月1500人以上の診察から「人生目標から考える医療」の診療スタイルを確立し、患者さんが笑って過ごせる毎日をおくるための診察、治療を実施し、体のことだけではなく、心までをサポートする治療を施す。