意外と簡単な調停の申立て

調停の申立ては、実は、そんなに難しくありません。家庭裁判所に出向けば、丁寧に申立書の書き方を教えてくれますし、裁判所のHPにも記載例が載っています。

費用も、1,200円の収入印紙と、数千円の予納の切手のみです。最初から弁護士に依頼しなくても、まずは、自分でやってみるのもいいかもしれません。

調停はすぐにできる?

申立てはいつでもできます。ただ、だからといって、すぐに調停期日が入るとは限らないのが落とし穴です。

通常ですと、申立書の提出から約1か月先です。年末年始や年度末になると、もう少し先延ばしになるかもしれません。相手方が「都合が悪いから変更してくれ」と連絡をしてくれば、更に先に延びます。

とにかく、思ったスピードで進まないのが家裁の調停だと思っておきましょう。

そもそも調停って??

調停委員会

家裁の調停は、裁判官1名と男女2人の調停委員で組織される調停委員会によって進められます。ただ、裁判官は、同時にいくつもの調停を担当していますので、毎回調停室の中にいるわけではありません。

当事者と顔を合わせるのは成立や不成立調書を作る最後だけ、ということもままあります。

調停委員ってどんな人?

そんなキーパーソンな調停委員ですが、年齢や職歴などさまざまな人が選任されています。

東京や大阪、名古屋といった大都市では、大企業を定年退職した人をはじめ、華麗なる職歴を誇る調停委員が多いように思います。

ただ、もちろん、華麗なる職歴を持っていたとしても、離婚調停の調停委員として優秀かどうかは別の話です。

残念ながら、担当の調停委員に満足しているという声よりも、不満の声を耳にする方が多いのが現状です。

  • 「自分ばかり説得された」
  • 「浮気の1回くらい、男の甲斐性だから我慢しなさいと言われた。」
  • 「とにかく説教ばかりで腹が立った。」
  • 「本当にDVなの?と疑われた。」

このような不平不満がよく聞かれました。

調停の進め方

基本は別席

相手方と別席で、それぞれ30分くらいずつ、調停委員から話を聞かれます。

調停室にご自身と相手が交互に出たり入ったりするイメージです。そのため、相手と顔を合わさずにすむというメリットがあります。

ただ、調停委員が伝書鳩のような役割をするわけですが、思ったよりもスピード感がないのは、進行においても同じです。

一回の調停期日で2~3時間程度話し合いますが、結局何も決まらなかった、なんてこともままあります。

大切なことは書面にする

別席調停は、落ち着いて話を聞いてもらえるというメリットがありますが、話したことが相手に全て伝わっているとは限りません。

むしろ、調停委員が自分の判断で伝えるべき情報を取捨選択しています。そのため、伝達漏れがあったり、違うニュアンスで伝わっていたりということが普通にあります。

そのため、大切なことは、口頭ではなく、紙に書いて提出しましょう。そうすれば、裁判官も目を通してくれます。

一回では決まらない調停

そして、一番問題になるのが、最終的な結論を出すまでの期間の長さです。中には、一度の話合いで調停が成立する人もいますが、そんな人はまれです。

多くは、2回、3回と期日を重ね、挙句の果ては不成立で何も決まらないということも珍しくありません。

いくつかのポイントでもめているご夫婦が本気で調停で合意しようと思えば、1年くらいかかることを覚悟した方がいいでしょう。

まとめ

家庭裁判所の調停で決めたことは、裁判の確定判決と同じ効力があります。そのため、養育費や財産分与など、大切なお金のことを決めるには、もってこいです。

ただ、実際に調停が始まってみると、遅々として進まなかったり、調停委員に腹が立ったりと、なかなか心穏やかでいられなかったりします。

面と向かって話をするわけではないので、意外と相手に気持ちが伝わっていなかったり、ちぐはぐなやり取りが続くこともあります。

家裁の調停を利用するメリットとデメリットをきちんと理解した上で、賢く利用していただければと思います。

専門家:小泉 道子■専門家プロフィール:小泉 道子
離婚テラス(相談機関)」及び「 家族のためのADRセンター(法務省認証機関)」代表。家裁勤務経験をいかし、悩めるご夫婦の仲裁役として奮闘中です。