香りには、脳に直接働きかけて心身のバランスを整える効果が。

近年は研究が進み、認知症予防にも。

ヨーロッパでは医薬品扱いのアロマも

アロマといえば、いい香りでリラックス効果がある、くらいに思っていませんか。

しかし「アロマテラピー=芳香療法」は、ヨーロッパでは医療として発展してきたもの。

その薬理作用で、医薬品扱いにされているものもあります。

さらに近年では、香りが心身に与える心理的、生理的な影響の研究が盛んになり「アロマコロジー」といわれる分野も発展。

これは「アロマ=芳香」に、「サイコロジー=心理学」「エコロジー=生態学」を合わせた言葉です。

また、鳥取大学が高齢者を対象にした研究では、約1カ月のアロマ療法で、アルツハイマー病の軽度~中等度の患者において、認知機能が改善するという結果が出て話題となりました。

やる気がないときはペパーミント・疲れにはヒノキの香りを

実は、五感の中で「嗅覚」は唯一、潜在意識に関わる脳の領域にダイレクトに伝わることがわかっています。

香りをかぐと、感情や本能をつかさどる「大脳辺縁系」や、自律神経系や内分泌系をつかさどる「視床下部」にその情報が伝わり、体内のバランスを整えるのです。

こうした作用を、仕事や家事の効率アップにうまく使っていきましょう。

やり方は、ティッシュやハンカチにアロマをたらして香りをかぐだけでOK。

これで大脳にビビッと伝わってくれます。

目的別に、効果のあるアロマの種類をご紹介します。

●頭をスッキリさせる・集中力を高める
ペパーミント、グレープフルーツ、ユーカリ、バジル、レモングラス

●ストレスで疲れているとき
ヒノキ・サンダルウッド(白檀)、ジュニパーベリー

●不安を感じたり気持ちが落ち着かないとき
シダーウッド、サイプレス

●リラックス効果で不眠を改善
ラベンダー、カモミール、オレンジスイート、マジョラム

成功体験の香りでポジティブイメージがわいてくる

たとえば、めんどうな仕事を前にやる気が出ないときは、ペパーミントの香りを。

また、大切な商談の前には、気持ちを落ち着かせるサイプレスをかいで臨むと、冷静な判断をサポートしてくれます。

そして、作業を続けて疲れを感じたら、ヒノキの香りでリラックス。

ちなみにヒノキのお風呂は、香りの効果でひときわ気持ちがいいものです。

こうした香りの働きを活用して仕事がうまくいくと、その成功体験が香りと共に潜在意識に記憶されます。

すると同じ香りをかぐことで、重要なシーンをポジティブイメージで臨むことができるように。

女性に人気のアロマですが、男性もぜひ活用してほしいものです。

【監修】桐村里紗先生
内科医・認定産業医。分子栄養学や常在細菌学、生命科学などの知識を活かし、執筆・講演を行う。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)他がある。ブログ『進化しましょ。』

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと