肝臓はエネルギーを作り出す器官。働きが低下するとバテバテ体に!

肝臓が弱ると体が臭くなる!?

「なんだか疲れやすくなった…」。そんなあなたは、肝臓が疲れているのかもしれません。

肝臓の重要な仕事のひとつは、栄養素を貯蔵しておき、エネルギーとして全身に送り出すこと。

そのため肝臓が衰えると、エネルギーが十分に作り出せず、スタミナ切れのお疲れ体になるのです。

肝臓のもうひとつ大切な仕事が、解毒。肝機能が低下すると、体に不要なものを分解・解毒する力が低下し、さまざまな不調の元に。

めぐりの悪い体になって疲れもたまるし、臭いの元が分解されにくくなり体臭や口臭がクサくなることも!

肝臓は、「沈黙の臓器」といわれて、肝臓自体には症状が出にくいため、もし症状が出た時には末期的状態。

健康診断で「脂肪肝」と言われても、特に自覚症状もない為に「食べ過ぎかな」程度に考えて放置する人が多いでしょう。

肝臓を悪くする原因といえば、お酒が定番。

この場合は、アルコールを控えることで肝臓への負担が減り、肝機能が正常化します。

しかしアルコールを飲まなくても、脂肪肝になることも。

「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」といい、一般的な脂肪肝よりも肝硬変から肝がんに移行しやすく、リスクが高い状態です。

いずれの脂肪肝も、既に肝機能に負担がかかり、キャパオーバーの状態です。

まだ後戻りは可能な段階ですので、「たかだか脂肪肝」と考えず、この段階で対処しましょう。

肝臓を元気にする「オルニチン」はキノコに豊富!

そこで、肝臓をいたわる食生活についてお話していきましょう。

お疲れの肝臓をサポートする代表的な栄養素が「グルタチオン」と「オルニチン」です。

グルタチオンは、アミノ酸が3つ繋がったトリペプチドで、レバーや肉類、小麦の胚芽、アボカド、キウイなどに含まれています。

これは肝臓の治療薬としても使われる成分。

血液検査で肝機能を見る数値である「ガンマ-GTP」は、グルタチオンの反応に関わる酵素です。

ガンマ-GTPが高いのは、肝臓で解毒の仕事が多く、グルタチオンがたくさん必要になっていることを表すもの。

だから、アルコールを飲みすぎる人が高くなりやすいのです。

一方、アミノ酸の一種であるオルニチンは、元々、体に存在する成分。

しじみに多く含まれることが良く知られていますが、意外にもキノコ類にも多く含まれています。

肝臓では、主に悪臭や疲労の原因になるアンモニアを解毒する「オルニチンサイクル」を回す働きがあります。

摂りすぎ注意の3大食材とは

また脂肪肝は、中性脂肪が高い人、血糖値が高い人、肥満の人でなりやすい傾向が。

生活に運動を取り入れつつ、糖質やオイルの取り方を見直して、肥満を改善することが必要です。

食生活では、アルコール、甘いもの、オメガ6系のオイル(サラダ油、ひまわり油、コーン油、大豆油、綿実油など)の摂りすぎに注意して。

「揚げ物は食べていないから大丈夫」と考えている人の中にも、マーガリンや植物性油脂などを使った洋菓子やパンなどの加工食品からオメガ5系のオイルを摂り過ぎている場合もあり、盲点になっています。

なお、カロリー過多は脂肪肝を招きますが、栄養不足もまた、肝機能を弱めることになります。

特に、極端なタンパク質の不足が問題。

肝臓に運ばれた中性脂肪は、タンパク質と結びついて肝臓外へ運び出されため、運搬用のタンパク質が不足すると、ダイエットしているのに逆に脂肪肝になることもあるのです。

食べないダイエットは不健康です。

肝臓にいい食材や栄養を意識して摂り、元気でニオわない体を作りましょう!

【監修】桐村里紗先生
内科医・認定産業医。分子栄養学や常在細菌学、生命科学などの知識を活かし、執筆・講演を行う。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)他がある。ブログ『進化しましょ。』

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと