子どものうちに苦手なことを克服しておくべきかどうか? 苦手克服に労力を注ぎすぎるのは、子どもに悪影響を与える可能性も示唆されています。

吸収力が高いから苦手も克服できると思いがちだけど…

誰にだって苦手なことはあるもの。しかし子育てにおいて、子どもの苦手項目は克服すべきものとして、親は認識しがちです。

子どもの時、親に「大人になってからでは直らない」「子どものうちに直した方がいい」と言われたことを覚えている人も多いのでは。はたして、実際はそうなのでしょうか?

子どもは、スポンジのように吸収力バツグンで、大人に比べて新しいことをすぐ覚えます。ゲームやスポーツなど、自分の興味のあることはすぐ覚えるし、環境に慣れるのも大人に比べて早いもの。子どもが海外で生活するとあっという間に現地の語学を覚えるのもそのためです。だから「苦手なことも子どものうちに直しておけば」という考えになりがちです。

いまある性質を変えるのは大変な労力が必要

しかし吸収力があることと、苦手なことを克服できることは違います。

例えば、常にマイペースで遅れがち、整理整頓が苦手といったこと。これらは、子どもの資質・個性にかかわることです。そのため、新しいものを取り入れるのではなく、もともとある自分の性質を変えるという作業になります。これはまったく異なるもので、いまあることを直すには大変な労力が必要となります。

そして懸念されるのは、限られた子どもの時期に、苦手項目を克服することに労力を費やしてしまってよいのかということ。また、苦手項目を克服するのは大人でも難しいことで、それをやり遂げるという強いモチベーションを子どもがキープできるのかということです。

無理に続けると自分に自信が持てない子どもに

そもそも子どもにとって、苦手なことに取り組むのは非常に苦痛なこと。大人であれば、その必要性を自ら理解し、どうしたら克服できるか自分なりに考えて取り組むことができますが、子どもの場合は、苦痛でしかありません。

また、子どもの苦手項目を克服するために、親は子どものできていない部分を本人に教えることになります。子どもにとっては、自分のダメな部分を毎回、親にしつこく言われることになります。これは非常に耐えがたい状況です。
これを無理に続けると、自分に自信がなくなり、自己否定感が強くなってしまう危険が。すると、いざ大人になり苦手項目を克服しようとしたときにできなくなってしまうのです。

自己肯定感が育ってから苦手克服に取り組む

苦手なことを克服するとき、カギとなるのが自己肯定感です。子どものうちに自己肯定感が育っていれば、人生のどこかのタイミングで苦手項目に取り組もうとする時期が訪れた時、やり遂げることができます。それが中学校で本を読んだ時なのか、大学受験なのか、就職してさらにステップアップを望んだ時なのかはわかりませんが、人生においてタイミングはたくさん訪れるもの。

なので、子どものうちは苦手項目を直すことより、自己肯定感を育てるために子どもの長所を伸ばすべきといえるでしょう。子どものうちはわざわざ苦手項目を克服する必要はないのです。自己肯定感が育ってから、自分のやる気が出た時に苦手なことに取り組めば、十分間に合います。

執筆/監修:株式会社からだにいいこと