『大豆田とわ子と三人の元夫』放送直前。松たか子が「ナメられがち」な三つの壁があった。

2021/4/7 22:00 龍女 龍女

③松たか子の座付き作家って誰?

松たか子主演の最新作で4月13日から始まる『大豆田とわ子と三人の元夫』の脚本家は


坂元裕二(1967年5月12日生)である。
フジテレビドラマが開催するシナリオコンクール『フジテレビ・ヤングシナリオ大賞』第一回(1987)の大賞受賞者である。
3作目として担当した柴門ふみ原作の『東京ラブストーリー』(1991年1~3月)の脚色が大ヒットした。
このとき、弱冠23歳であった。


ちなみに『東京ラブストーリー』のテーマ曲小田和正の『ラブストーリーは突然に』のイントロ、
一部音楽ファンが俗称するところのギターフレーズ♪チュクチューン♪を弾いたのが後に松たか子の夫になる佐橋佳幸である。
佐橋佳幸は80年代からの渡辺美里との仕事で、筆者も名前を知っていたが、この曲については最近知った。
松たか子は、小田和正が仕切る特別番組『クリスマスの約束』のゲストで最も出演している。

坂元裕二には、脚本家としての休養期間(1997~2001)があった。
いわゆるトレンディドラマを描いていた仕事と本来自分が描きたかった世界観にズレがあるストレスが一気に吹き出した時期だったかもしれない。
坂元裕二は1997年に『ラブジェネレーション』の主題歌『幸せな結末』の冒頭の歌詞のワンフレーズだけを、演出の永山耕三に呼ばれて手伝ったらしい。

坂元裕二は、本人名義の作詞でスマッシュヒットも放った。
松たか子のデビュー曲『明日、春が来たら』(1997年)の作詞だ。
この曲で紅白歌合戦に松たか子は歌手として初出場した。
(ちなみに紅白歌合戦初出演は1996年の紅組司会である)

坂元裕二がいま、テレビドラマの脚本家として定評を得るようになったのは、休養後復帰して
『私たちの教科書』(2007年)が第26回向田邦子賞を取って以降、傑作を連発してきたからである。
しかし実は筆者は坂元裕二の作品を意識して観たことはない。
ほとんど2010年代の坂元裕二の傑作を視聴習慣のために見逃している。
筆者が坂元裕二をナメていた。申し訳ない。
改めて松たか子のこれまでの経歴を調べてみた。
TVドラマの主演俳優として座付き作家に相当する存在が坂元裕二である

最新作『大豆田とわ子と三人の元夫』に関して、色々と噂を耳にしていたので、



坂元裕二と組んだ前作『カルテット』(2017年1~3月)をいっき観した。
面白かった。中心となる舞台が軽井沢で、筆者も観たことがある軽井沢の猿が何度かキーになっていたりして細部も楽しめた。
切ない恋愛模様に眼球が潤んだ。

『カルテット』はTBSで火曜22時に放送されていた。
『大豆田とわ子と三人の元夫』はフジテレビ系の関西テレビ制作で火曜21時である。
これは『カルテット』のプロデューサーであった佐野亜裕美がTBSから関西テレビに移籍したためであるらしい。
久々にフジテレビで松たか子が観られる。
しかしこの時間帯は、我が家では『開運!なんでも鑑定団』・・・。
またもや壁が・・・あ、今は公式TV動画サイトがあるか。


※最新記事の公開はFacebookTwitterにてお知らせします。
(「いいね!」か「フォロー」いただくと通知が届きます)
  1. 1
  2. 2