芸人殺し・黒柳徹子を笑わせた!渡辺直美の能力とは?
しかし、彼女の芸の系譜をTVコントに集約させるとしたら、その源流はずばり志村けんということになろう。
(イラスト by 龍女)
岡村隆史・コロッケに共通する、言葉ではなく身体の動きで笑わせる芸のTVにおける最高峰は志村けんに他ならない。
彼以前にもコント55号や更に遡れば榎本健一(通称エノケン)もいるが、舞台ではなくTVというメディアに限っての話である。
ハナ肇率いるクレイジーキャッツが土台を作り、志村が所属していたドリフターズがTVコントのベタを体系化した。
それに対する時代ごとのカウンター(例えばひょうきん族)やリスペクト(岡村隆史)等の回答の仕方は様々だ。
少なくとも70年代以降の日本のTVコントの作り方はドリフターズ以降と位置づけても過言ではない。
その中でも他のメンバーは、リーダーのいかりや長介などは俳優として活動の場を広げたが、志村だけはTVコントにこだわった。
志村けんのコントはいつ見ても面白い。
それは彼のリアクションが絶妙の間で可笑しい。
この動きで分からせる手法は老若男女誰でも通用する。
影響を受けた渡辺直美も、TVコントにこだわってはいるが、特にバブル期と異なり、TV局に予算が少なくなり美術セットなどこだわる余裕がなくなった時期に芸能界入りしたのは不運だった。『ピカルの定理』は2013年9月に放送を終了した。
しかし、捨てる神あれば拾う神ありで、デビューした2008年はリーマンショックという大不況と共に記憶される年であるが、徐々にSNSが台頭し始めた頃でもある。
特にSNSの中でも大手になったYouTubeもTwitterもその数年前に始まった。
渡辺直美と言えば、Instagramも2010年に始まっている。『ピカルの定理』が始まった頃と同じだ。 写真に特化したInstagramで、彼女は独特のファッションセンスを発揮してインスタ女王と呼ばれている。
しかし、彼女の素晴らしいところは『ピカルの定理』で演じた白鳥美麗というキャラクターに代表されるように、美の概念を覆す設定に挑戦しているところだろう。
映画『新解釈・三国志』で、三国志演義では絶世の美女として登場する貂蝉役を演じたのもその文脈からの配役である。
彼女の踊りで、劉備(大泉洋)・関羽(橋本さとし)・張飛(高橋努)が笑いをこらえるシーンは、迷場面である。
2020年は、新型コロナの影響で様々なことが起こったが、大きな出来事はメディアの王様がTVで無くなったことだと位置づけている。
その象徴こそ3月29日のTVコントの王様、志村けんの死だった。
志村のコントでは、彼女のようなキャラは美人扱いされない。
だから、白鳥美麗のコントを観た時に、
「時代は新しくなったなあ」
と筆者が感じたのは当然である。
さて、ドリフターズの『8時だヨ!全員集合』と同時刻にライバルとして台頭してきた『オレたちひょうきん族』に登場した芸人の中からトップに君臨したのはビートたけしと明石家さんまである。
特に明石家さんまは関西ローカルの『痛快!明石家電視台』という番組を持っているが、その中の長年のレギュラーである間寛平と村上ショージは徹子の部屋で、見事にスベッた。 徹子に退治されてしまった芸人である。
彼らの特徴としては、前後の脈絡もなくギャグを繰り出すことであり、他のこの手の芸人も、徹子の前では通用しない。
一方でBIG3の中で、恒例の年末にゲストで登場するのがタモリで、徹子の笑いのツボを刺激し続ける。
(イラスト by 龍女)
タモリの芸の系譜を考えると、若き日にこちらも昨年亡くなった小松政夫と共に、製材所の電気のこぎりの音とかコンドルの着地や寿司将棋などをしていたのがヒントになる。
小松政夫は、芸能界はクレイジーキャッツのメンバーである植木等の運転手から始まっている。つまり、タモリの笑いは、ドリフターズ同様、音楽的発想から来ている。
渡辺は2008年3月に『笑っていいとも』の「いいとも少女隊」に入った。
ビヨンセが所属しているガールズグループ・デスティニーズ・チャイルドが来日して出演した時に、本人にダンスを披露した。
つまり、渡辺直美のネタはタモリには受け入れられたはずで、黒柳徹子に受け入れられる素地はどうやら出来上がっていたようだ。
黒柳徹子はNHK専属の俳優としてデビューし、数々の番組に出演してきた。
若い頃に渥美清と『夢であいましょう』で共演した。
ニューヨーク留学以降は舞台中心に俳優活動をしており、それも喜劇の戯曲をメインに活動している。
つまり、笑いに対してはかなり厳しい目を持っているが、案外考えすぎたネタは受けないのではなかろうか?
結論としては、
渡辺直美の動きは理屈抜きに面白い。
また黒柳徹子は東京音大声楽科卒業なので、音楽に詳しい。
その辺の素養もツボにハマったのでなかろうか?
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写真:タレントデータバンク
(渡辺直美|1987/10/23生まれ|女性|A型|茨城県出身)
(イラスト by 龍女)
岡村隆史・コロッケに共通する、言葉ではなく身体の動きで笑わせる芸のTVにおける最高峰は志村けんに他ならない。
彼以前にもコント55号や更に遡れば榎本健一(通称エノケン)もいるが、舞台ではなくTVというメディアに限っての話である。
ハナ肇率いるクレイジーキャッツが土台を作り、志村が所属していたドリフターズがTVコントのベタを体系化した。
それに対する時代ごとのカウンター(例えばひょうきん族)やリスペクト(岡村隆史)等の回答の仕方は様々だ。
少なくとも70年代以降の日本のTVコントの作り方はドリフターズ以降と位置づけても過言ではない。
その中でも他のメンバーは、リーダーのいかりや長介などは俳優として活動の場を広げたが、志村だけはTVコントにこだわった。
志村けんのコントはいつ見ても面白い。
それは彼のリアクションが絶妙の間で可笑しい。
この動きで分からせる手法は老若男女誰でも通用する。
影響を受けた渡辺直美も、TVコントにこだわってはいるが、特にバブル期と異なり、TV局に予算が少なくなり美術セットなどこだわる余裕がなくなった時期に芸能界入りしたのは不運だった。『ピカルの定理』は2013年9月に放送を終了した。
しかし、捨てる神あれば拾う神ありで、デビューした2008年はリーマンショックという大不況と共に記憶される年であるが、徐々にSNSが台頭し始めた頃でもある。
特にSNSの中でも大手になったYouTubeもTwitterもその数年前に始まった。
渡辺直美と言えば、Instagramも2010年に始まっている。『ピカルの定理』が始まった頃と同じだ。 写真に特化したInstagramで、彼女は独特のファッションセンスを発揮してインスタ女王と呼ばれている。
しかし、彼女の素晴らしいところは『ピカルの定理』で演じた白鳥美麗というキャラクターに代表されるように、美の概念を覆す設定に挑戦しているところだろう。
映画『新解釈・三国志』で、三国志演義では絶世の美女として登場する貂蝉役を演じたのもその文脈からの配役である。
彼女の踊りで、劉備(大泉洋)・関羽(橋本さとし)・張飛(高橋努)が笑いをこらえるシーンは、迷場面である。
2020年は、新型コロナの影響で様々なことが起こったが、大きな出来事はメディアの王様がTVで無くなったことだと位置づけている。
その象徴こそ3月29日のTVコントの王様、志村けんの死だった。
志村のコントでは、彼女のようなキャラは美人扱いされない。
だから、白鳥美麗のコントを観た時に、
「時代は新しくなったなあ」
と筆者が感じたのは当然である。
さて、ドリフターズの『8時だヨ!全員集合』と同時刻にライバルとして台頭してきた『オレたちひょうきん族』に登場した芸人の中からトップに君臨したのはビートたけしと明石家さんまである。
特に明石家さんまは関西ローカルの『痛快!明石家電視台』という番組を持っているが、その中の長年のレギュラーである間寛平と村上ショージは徹子の部屋で、見事にスベッた。 徹子に退治されてしまった芸人である。
彼らの特徴としては、前後の脈絡もなくギャグを繰り出すことであり、他のこの手の芸人も、徹子の前では通用しない。
一方でBIG3の中で、恒例の年末にゲストで登場するのがタモリで、徹子の笑いのツボを刺激し続ける。
(イラスト by 龍女)
タモリの芸の系譜を考えると、若き日にこちらも昨年亡くなった小松政夫と共に、製材所の電気のこぎりの音とかコンドルの着地や寿司将棋などをしていたのがヒントになる。
小松政夫は、芸能界はクレイジーキャッツのメンバーである植木等の運転手から始まっている。つまり、タモリの笑いは、ドリフターズ同様、音楽的発想から来ている。
渡辺は2008年3月に『笑っていいとも』の「いいとも少女隊」に入った。
ビヨンセが所属しているガールズグループ・デスティニーズ・チャイルドが来日して出演した時に、本人にダンスを披露した。
つまり、渡辺直美のネタはタモリには受け入れられたはずで、黒柳徹子に受け入れられる素地はどうやら出来上がっていたようだ。
黒柳徹子はNHK専属の俳優としてデビューし、数々の番組に出演してきた。
若い頃に渥美清と『夢であいましょう』で共演した。
ニューヨーク留学以降は舞台中心に俳優活動をしており、それも喜劇の戯曲をメインに活動している。
つまり、笑いに対してはかなり厳しい目を持っているが、案外考えすぎたネタは受けないのではなかろうか?
結論としては、
渡辺直美の動きは理屈抜きに面白い。
また黒柳徹子は東京音大声楽科卒業なので、音楽に詳しい。
その辺の素養もツボにハマったのでなかろうか?
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写真:タレントデータバンク
(渡辺直美|1987/10/23生まれ|女性|A型|茨城県出身)