【老舗力】浮世絵は企画力で勝負だ!太田記念美術館の魅力と秘密

2019/10/30 19:00 Tak(タケ) Tak(タケ)

原宿にある太田記念美術館へ行かれたことはありますか?

1980年(昭和55年)1月の開館以来、毎年数多くの展覧会を開催し続けています。展覧会は大きく「特別展」と「企画展」の二つに分かれています。


太田記念美術館

年2回の特別展と、企画展が5回ほど加わり年間スケジュールが組まれています。一年にこれだけの展覧会を開催する理由はただ一つ。それは浮世絵自体が展覧会に不向きだからです。

浮世絵の保存のことを考慮すれば光にあてないこと、つまり展示しないことが一番です。ただ展覧会で見せないわけにもいきません。それゆえ企画展の中には会期が一か月足らずと非常に短いものもあります。


初代鳥居清倍 二代目市川団十郎の竹ぬき五郎 初代三升屋助十郎の曽我十郎
享保2年(1717)2月

原宿に浮世絵専門美術館がある意味(太田記念美術館)

企画展、特別展合わせてこれだけ多くの展覧会を毎年開催するとなると、それこそ「企画力」が問われます。しかも他の美術館のように古今東西様々なアートを紹介するのではなく、浮世絵専門美術館という縛りがあるため、大変どころの騒ぎではありません。

それを40年近く継続させてきたのですから、太田記念美術館さんもっともっと称賛を浴びてもおかしくありません。

北斎や歌麿、近年では国芳など広く名の知れたメジャーな浮世絵師の展覧会を開きつつ、それと並行して全く世間的には無名ながらも良い作品を残しているマイナーな存在にも光を当てています。


「生誕250年記念 歌川豊国 ―写楽を超えた男」
2019年9月3日(火)~9月29日(日)

「歌川豊国展」など他の美術館では行わない浮世絵師の展覧会も未知の魅力を知ってもらう為に果敢に特別展として取り上げています。

そして、何より太田記念美術館さんの強みは、よくぞ考えついた!と唸らせる企画展を次から次へと矢継ぎ早に放ってくることです。

もう一度書きますが、「浮世絵しか展示しない」という超厳しい制約の中で40年間、飽きさせることなく展覧会を年に何本も開催しちゃうのです。しかもここ数年は来館者が増えている!というのですから、吃驚仰天です。


『国芳vs芳年』 (くらべてわかる)
日野原健司(著)

そんな企画力で勝負し躍進する太田記念美術館の秘密について、同館の日野原健司学芸員さんにお話を伺って来ました。(日野原さんは数多くの浮世絵関連の書籍も出されています。)

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