すでに有名なのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、渋谷は代々木上原にある「東京ジャーミイ」は日本最大級のモスクです。



この東京ジャーミイでは、礼拝堂と多目的ホールを使っておよそ1,200人もの人が礼拝をおこなうことができるようになっています。




1階には多目的ホールやトルコ関連のグッズを取り扱うショップ、お茶をいただけるスペースなどがあります。
すでにここから異国情緒が漂っており、期待と高揚感でいっぱいに。静かに己の中でテンションを爆上げしていきましょう！　期待が裏切られることは決してありませんので、思う存分上げていって大丈夫です。

モスクは2階。上の階へ通じる階段を上って行くと、ひときわ特徴的な外観とともにその入り口が現れます。
モスクの中は土足禁止。こちらで靴を脱いで中に入ると……






人は想像を超えるほど美しいものを前にすると、言葉を失ってしまうもの。
その荘厳かつ華麗な姿に畏敬の念を抱かずにはいられません。





東京ジャーミイの歴史は今から約80年前に遡ります。
ロシア革命で迫害を受け、日本へ亡命したタタール人たちによって1938年にこの場所へ建てられた「東京回教礼拝堂」がその前身。回教とはイスラム教のことを意味します。
惜しくも老朽化のため1986年に取り壊しとなりましたが、トルコ共和国宗務庁の援助によって2000年に現在の姿へ再建されることになったのです。



建築はオスマントルコ様式、モスクを建てるための資材は、母国トルコからやってきた本場のものを使っています。なんとモスクを手掛けた職人さんも、トルコからやってきたプロ中のプロだそう。
色とりどりに射し込む光や美しいカリグラフィーからは、丹精込めて丁寧に作られたことが伝わってきます。




礼拝堂内の2階には女性専用の礼拝場所もあります。ここから眺めると、ステンドグラスの美しさを間近で楽しむことができますよ。









♦見学の前に気を付けたいこと

モスクの中はイスラム信徒以外にもひらかれており、自由に見学することができます。
けれどあくまでもここは祈りの場。約束を守って、気持ちよく訪れたいですよね。
モスクに入る前に気をつけたいのが服装です。男女ともに露出の多い服装は控えましょう。



うっかりノースリーブや短いパンツで訪れてしまった際には、ローブの貸し出しもあるのでそちらを利用しましょう。
また、女性は髪を隠す必要があるため、スカーフやストールがあればそれらを使って髪を覆います。もし手元に無かったとしても、こちらも貸し出しがあるので利用してください。




日本の神社仏閣もそうですが、あくまでも神聖な場であるため大きな声でのお喋りは控えましょう。写真撮影をされる場合は、受付の方に許可を頂いてから撮影するようにしましょう（※礼拝中の方を被写体とした撮影は禁止です）。
また、礼拝中の方の前を横切ることもNGです。頭上の装飾が美しいあまりうっかりしてしまいがちですが、周囲への注意を忘れずに楽しく鑑賞しましょう。



昨今「グローバル化」や「多様な文化を理解することの大切さ」が唱えられていますが、やはり知らない世界を理解するには実際にその場に行って体験するのが一番早いと思います。
とはいえ外国へ行かなくとも、現地の方が活動されている施設を訪れることで得られる知識はたくさんあります。
東京ジャーミイの多目的ホールには、イスラム教を知るための書籍を揃えた図書スペースが、そして土曜、日曜、祝日には礼拝の様子を見学させてくださる日本語ガイドツアーが開催されており、今まで深く知る機会の少なかったイスラム文化に触れることができます。





ほのかな甘みのある温かいお茶をふるまってくださったり、丁寧に案内してくださったりと、とてもフレンドリーな東京ジャーミイ。ガイドツアーのほかにも、モデストファッション（過度な露出を控えた服装）展や、語学教室など、広く学ぶことのできる場が用意されています。
イスラム文化ビギナーにとって、充実した初めの一歩となること請け合い。駅から徒歩5分とアクセスも良好です。まだ行ったことのない方はぜひ訪れてみてくださいね！