テレホンカード持ってますか?…テレカの歴史を振り返ろう【ファンシー絵みやげ】(1/3)

2018/12/21 12:00 山下メロ 山下メロ


■ 今年、テレホンカードが注目される事態に……

今月6日、昼から夜にかけてソフトバンクの携帯電話の大規模障害が起こったことは記憶に新しいでしょう。先日の上場を受けた会見でも3060万回線に影響があったと発表がありました。そんな中で注目を集めたのがテレホンカードです。



携帯電話が使えなくなると、途端に連絡ができなくなるため、外ではソフトバンク以外のキャリアの人に携帯電話を借りるか公衆電話しかありません。当日の夜のニュースでも「テレホンカード久々に使いました」「一応財布にテレホンカード入れていたので」といった風に、テレホンカードにスポットライトが当たったのです。



せっかくなので、ここでテレホンカードについて振り返ってみましょう。

公衆電話において、硬貨の代わりに使えるプリペイドカードであるテレホンカードは、1982年12月に旧・電電公社(現・NTT)で岡本太郎の「遊ぶ字シリーズ」が第1号として発売されました。


↑サンリオのタキシードサムも旧・電電公社本社発行の数少ないデザインに採用された。まだ旧・電電公社のロゴである

■ テレホンカードの普及

その後、独自にデザインできる金券であるため、贈答品やプレゼントに最適であることから色々な種類が作られました。企業のノベルティから個人の記念品まで、ありとあらゆるものがテレホンカードになったのです。そしてその図柄の多さから収集対象となり、多数のコレクターが生まれ、相場ができて数々のカタログ本や雑誌『テレコレ』が創刊されるまでになりました。


↑1987年出版のテレホンカードカタログ(松田英孝著)。単なるデザインの紹介にとどまらず、当時の相場まで掲載されている。

現代では以前ほどの需要はなくなりましたが、携帯電話普及率が低く、公衆電話が多く残されている地方や、携帯電話を持っていない児童や高齢者、それから携帯電話使用禁止の病院などでは重宝されています。また、固定電話の料金の支払いに使う手段もあるため、いまでも金券ショップなどで売買されているのです。

■ いろいろなテレホンカード

テレホンカードは非常にたくさんの種類が存在するため、無闇に紹介してもキリがありませんので、その中から時代や文化が分かるものを少しだけ紹介したいと思います。


↑地方のNTTが発行したもの。その地方を紹介する意味で観光地を扱ったものが多い。漫画家の滝田ゆうや小島功を使用したものも。


↑企業ノベルティや商品PRのものが多数あり、中には懐かしいものも。


↑すでに見かけなくなった短命な商品もあれば、今でも売られているロングヒットの商品もある。


↑結婚や退職の記念に配るために個人で作るテレカ。ホールインワンで配るテレカまである。日付や文章、写真から色々なことが読み取れて興味深い。

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