人生最大の断捨離で10着に!三浦由美子著「A SIMPLE STYLE」50歳スタイリストが残したもの

2018/12/16 18:04 柚月裕実 柚月裕実


A SIMPLE STYLE


最近、女性のグレーヘアが話題になっていた。
白髪を染めることなく、ありのままでおしゃれを楽しむスタイルがテレビ番組や雑誌などで紹介され、数名の方の意見に触れることができた。

早ければ40代から、白髪染めをしない選択をする人もいるそうで、はじめは周囲の言葉が気になったり、グレーヘアを目指すも伸ばす途中のまばらな時期に挫折したり。単にほったからしておけばいいものでもなく、精神的にも乗り越えなければならないこともあるのだそう。

白髪染めを重ねることで頭皮のトラブルに見舞われたという例もあり、一概にファッションだけでは括れないが、おしゃれの選択肢の一つとして注目されているという。


グレーヘアで思い浮かべるのは、男性ならば「下町ロケット」に出演している吉川晃司。女性ならばフリーアナウンサー近藤サトだろうか。身近なところでは、年に一回合うかどうかの親戚のおじさんくらいで、仕事でお付き合いのある年上の女性でもグレーヘアにしている方はまだいない。

いまのところ、自分にはまだ白髪はないのだけど、アラフォーになって洋服一枚ですら悩んでいるのに、あと10年も経たないうちに白髪問題までやってくるかと思うとちょっと気が重くなった。

そんなことをきっかけに、この先どんな年の取り方をしたいかとか、どんなスタイルでいこうかと、ぼんやり考えることが増えた。


そこで、今回はぐっと年齢を引き上げて、逆算スタイルで考えてみたいと思う。
雑誌「GROW」で活躍中のスタイリスト三浦由美子氏の著書「A SIMPLE STYLE」(宝島社)を読んでみた。


■人生最大の断捨離で10着に絞り込んだ!50歳ベテランスタイリストが残したものは?

「人生最大の断捨離をして基本となる10アイテムを中心に残した」

冒頭からパンチの聞いた言葉が並ぶ。

50歳を迎え、引っ越しを機に人生最大の断捨離をしたという。
スタイリスト、洋服選びのプロが残したアイテムってなんだろう。気になって仕方がない!


厳選したアイテムは…パンツが2着、Tシャツやシャツで4着、オールインワンに、ジャケット類3着。
本当に10着だった。

そこに合わせる小物や靴類によって、フレンチスタイルから、モード、エレガントパンクといったようにテイストが変わっていくところがすごい。前回に引き続き、プロってすごい!

アイテムは10着に絞ったもののその代わりに、靴やブーツはアイテムが豊富で(といっても厳選したのだろう)、ハットやスカーフ、ピアスなどのアクセサリー類が充実している。


中でも特に目を引いたのがエレガントパンクのコーディネート。

一歩間違えると、若作りおばさん、ギャル時代のアイテム捨てられないおばさん、になってしまうのだけど、引き締まったスタイリングになっていた。

ブラックのパンツにニット、インナーに白シャツを合わせたコーディネートで、肩にはライダースジャケットをはおり、足元にはスタッズつきのパンプス。

ここにごつめのブーツを合わせたくなるところだが、甘さをとことんそぎ落としたスタイルにパンプスを合わせることで繊細さが加わる。ハードすぎなくてかっこいい、シャープな印象になっている。


後半には、季節ごとのコーディネートが掲載されていて、買い足しの参考に!
シャープでどこかエレガントで、かっこいい路線のコーディネートを目指すならば、迷わず買い! 年齢問わず参考になる一冊だ。


おわりにこんなことを綴っていた。

「私の場合は、むしろこの年齢になったからこそ、いろんなものから解放されたり、肩に入っていた力が抜けたりして、若い頃よりも自由になっている」

かっこいいな。
「どこどこへ行くからこういう格好をしなきゃいけない」TPOはあるにせよ、無意識のうちに自分を縛っていることや、もっと動きやすいスタイルの方が機能的にも良いはずなのにぼんやりコーディネートから抜け出せない……。
そんな曖昧でよくわからない理屈からの「解放」はこれからのキーワードになりそう。


「ファッションはすべての人の人生を豊かにするもの」

この一文に、著者の洋服愛を感じたのだった。


今回の教訓!
・色よりもアイテムで厳選するべし!
・小物や靴を充実すべし
・断捨離は中途半端ではなくとことんすべし




夏から冬にかけて随分と断捨離したと思っていたけれど、全然甘かった。
めっちゃ残ってる。
10着あればこんなに着回しがきくのかと、清々しい気持ちになったのと同時に、かっこいい大人の世界に触れられて、 こうありたい、みたいなぼんやりしていたイメージが少しずつ固まってきたのがコーディネート以上に収穫だった。


次回は、今年買ったアイテムで活躍したものをご紹介していきます。
誰得だって話ですけども、どうぞお付き合いください。


(柚月裕実)