【芸術の秋到来】もう失敗しない!美術館を最大限に楽しむ方法

2018/10/9 14:30 Tak(タケ) Tak(タケ)

人間関係には誤解がつきものです。他人のことを思い違いしていたり、相手が自分のことを誤認していたりと毎日の生活の様々な場面で誤解が発生しています。

友人とのトラブルや職場や学校での人間関係でギスギスしていると感じるのは日常茶飯事です。今現在、頭を悩ませている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。



それと同じように美術鑑賞においても多くの誤解が存在しているのが現実です。例えばこんな思い違いをしていませんでしょうか。

「知らない画家の展覧会はつまらない」
「美術館では声を押し殺して黙々と凝視しなければならない」
「展覧会会場には観るべき決まった順路がある」


などなど。



人間関係以上に枚挙にいとまがないほど多くの誤解が美術鑑賞の前に立ちはだかっています。思い込みというのは怖いもので、誤解という名の壁に阻まれ美術館へ足を運べずにいませんか。その中でも最も大きな誤解が「展覧会は観に行っても面白くない」というものでしょう。

確かに好きな俳優が出ている映画や推しメンがいるグループのライブに比べれば、展覧会は面白味にかけるかもしれません。

しかし、そうした直感的に楽しめるエンターテインメントと、そもそも美術鑑賞は同じではなく、どちらかと言えば小説のテキスト中に隠された複雑なメッセージを読み解くことで、快味を享受していくタイプのものにあたります。



だから一度や二度足を運んだだけでは展覧会の愉しさを存分に満喫することは出来ません。幾ばくかの経験を必要とするのです。

そこを敷居の高い趣味として敬遠されてしまい、このような誤解を生む要因となっているのです。そもそも何の知識もなく出かけ、心の底から楽しめたとしたら、それはそれで異様であると言えます。

さて紙面の許す限りありがちな誤解を正して参りましょう。まずは「知らない画家の展覧会はつまらない」ですが、知らないからこそ未知の発見があり楽しいのです。かえって画家の名前を知らない方が色眼鏡無しで作品と向かい合えるので逆に好都合なので、自分など喜んで出かけるようにしています。



次に「美術館では声を押し殺して黙々と凝視しなければならない」は、確かにみんな幼い頃からの教育の成果なのか、とにかく会話もせず、時に腕組みなどして作品と向かい合っています。けれども美術を観るときは、関係のないお喋りはご法度ですが、作品を観て発見したことや感想で盛り上がるのはいいことです。

自宅のリビングで寛いでiPadの画面を見るのと同じように、展覧会会場でも、もっと肩の力を抜いてリラックスしましょう。



最後の「展覧会会場には観るべき決まった順路がある」など全くもってナンセンスな誤解でしかありません。進行通り(受動的)に楽しむ映画やライブとは最も違う点が実はここにあります。展覧会は自らの足で歩き回らなければなりません。つまり美術鑑賞はとても能動的なエンタメなのです。

不慣れなうちは順番に従って観て行くのもよいでしょう。でも会場の雰囲気に慣れてきたらとにかくあちこち動き回ってみることです。例えば作品A→B→Cと観るのとその逆では見え方感じ方もはっきりと違うものです。是非試してみて下さい。



この他にも美術鑑賞に対する誤認識はまだまだたくさんあります。展覧会へ行く障壁となっているそれらの誤解を取り除くべく、日本国内にある十五の作品を通して美術鑑賞のイロハから知っておくと得をする鑑賞術をまとめた一冊が『いちばんやさしい美術鑑賞』です。

西洋美術、日本美術それぞれ絵画から立体物まで、これまで自分が、年間三百~四百の展覧会へ足を運び実践してきた鑑賞術を惜しみなく伝授しています。


いちばんやさしい美術鑑賞』 (ちくま新書)
青い日記帳(著)

美術の専門家ではなない、一アートファン目線で綴っているので読みやすく「うんうん」と納得していただける箇所も多いと思います。

また少し目の肥えた方にも読み応えがあると同時に、誰かに話したくなるネタも多く盛り込んでいます。この本を読めば美術鑑賞に対する誤解も瓦解すること間違いなしです!



この文章は「ちくま 2018.9 No.570」に掲載したものをベースに加筆したものです。webちくまで公開しています。

いまトピアート部メンバーの明菜さんとKINさんもこの本をコラムで取り上げてくれています。持つべきものは友ですね~有難いです。 お二人とも違った独自の視点から紹介しています。二人の文章読んでいると何だかとっても面白くてためになる本に思えてきました(笑)

「いちばんやさしい美術鑑賞」はあなた専属の先生!美術館に持って行こう!By明菜さん

これが美術を好きになる近道。ちくま新書『いちばんやさしい美術鑑賞』はアートファン必見です!By KINさん



さぁ、いよいよ芸術秋本番です。まずはどの展覧会に行きましょう。何にも恐れずに美術館・博物館の扉を叩いて下さいね。