【ヤバすぎて悶絶】世界一くっさい缶詰、世界一たっかい香料を「におい展」で体験しよう!
平安時代に書かれた『伊勢物語』にはたくさんの恋物物語が収録されています。第60段「花橘」は別れ他の男のもとへ行ってしまった元妻の「香り」が再会の大きなポイントとなっているお話です。
『伊勢物語』では大事なところは、和歌で表現していますが、第60段では男から元妻に向けこんな歌が詠まれます。
「五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする」
(五月を待って咲く橘の花の香りをかぐと、昔なじみの人の袖の香りがします。)
昔の人は今以上に「香り」「臭い」に敏感でした。男が元妻をにおいだけで当てたのは、毎日のようにお香を着物に薫きしめていたからです。
翻って現代。初夏に花をつける柑橘系の花橘の匂いといった風雅なものは影をひそめ、ありとあらゆる臭いが我々の生活の中に存在しています。
恋人同士の甘~い香りから、下水道やごみ集積所の悪臭まで。
そんな「におい」をテーマにした初めての展覧会が、2018年1⽉12⽇(⾦)から池袋パルコにて開催されます。名古屋で好評を博した「におい展」がいよいよ東京にやってきます。
「におい展」は、貴重な⾹料「ジャコウ」や「アンバー」など、「⾹⽔の素」から、世界⼀臭い⾷べ物と⾔われるニシンの⽸詰「シュールストレミング」や、そのにおいで電⾞をストップさせたこともある「臭⾖腐」などの「激臭アイテム」まで、良い匂いと悪い臭いが大集結!
普段中々そのにおいを直接確かめる機会のないもののにおいを実際に嗅いでもらう、今までありそうで無かった“嗅覚”で楽しむ体験・参加型のイベントです。何だかヤバそうでしょ。
それでは、「におい展」に実際に展示され、そのにおいを体験できるブツを幾つか紹介しますね。
『くさや』 独特なにおいで有名な伊豆諸島の特産品。
居酒屋で「注文していい?」と周りに確認してから頼むのが暗黙のマナーとなっている「くさや」。実際に食べると日本酒の肴としてはこれ以上のものはありませんが、如何せんその臭いが…
『臭⾖腐』 中国、台湾、⾹港など⾷べられている⾷品。過去には異臭を放つ臭豆腐が発端で電車が止まったことも。
台湾の街中で屋台で売られている臭豆腐。100メートル先からでも店の存在に気付くほどの独特の臭いを周囲にぶちまけています。いつも不思議なんですが、店員さんは大丈夫なのでしょうか。あの臭いも慣れちゃうのかな~
こんな「悶絶」するような臭いだけではなく、香水の「美臭」まで嗅覚を楽しめるのが「におい展」です。
『ジャコウ』 ジャコウジカから採取された香料。別名ムスク。香水に使われる。ジャコウジカが絶滅の危機に瀕し、現在の香料には合成ムスクが用いられる。
歌舞伎の人気演目に「伽蘿先代萩」があります。このお芝居で重要な役割を担うのが「伽羅」。こちらは香木ですが、同じく乱獲されワシントン条約で規制がかけられています。
『イリス』 世界で最も高価といわれる香料。6〜7年もの歳月をかけて採油されたにおいとは!?
アイリスやオリスとも表現される世界一高価な地中海産のニオイアヤメの根茎から採れる香料です。香水として販売されているのもごくわずか。どんな香りがするのでしょうね。
『カメムシ』「屁こき虫」の異名をとる昆虫。臭腺から飛散させる分泌液が臭いことで知られる。匂いの主な成分はトランス-2-ヘキセナールなど。
臭い昆虫の代名詞的な「カメムシ」ですが、意外なことに実は「香水」に欠かせない成分を持っているのです。普段使っている香水にもカメムシ成分が含まれているかもしれませんよ。
さてさて展覧会には目玉作品がどうしても必要です。これだけのために来た!というべきものが。今回の「におい展」ではそのモナ・リザ的な存在にあたるのは、間違いなくこれでしょう。
『シュールストレミング』 テレビの罰ゲームでもお馴染みのヤバすぎる缶詰。テレビ番組の罰ゲームでもお馴染み!強烈な“におい”の缶詰。
シュールストレミングの中身は塩漬けのニシンです。クサヤが日本を代表するものとするならば、シュールストレミングはスウェーデンを代表する世界一ヤバいにおいです。
外見はちょっとおしゃれな感じですが、蓋をあけた状態では気絶悶絶。会場でその臭さを是非体感してみて下さい。昨年の「怖い絵展」よりある意味で怖いかもしれませんね。
尚、展覧会の最後には「におい展」のオリジナルTシャツや、「いい⾹り」がするさまざまな美臭グッズ、さらにイベント限定⾹⽔の販売コーナーがあります。
「におい展」
会期 : 2018年1⽉12⽇(⾦)〜2018年2⽉25⽇(⽇)
時間 : 10:00〜21:00 ※⼊場は閉場の30分前まで
会場 : 東京都豊島区南池袋1丁⽬28-2 池袋パルコ本館7階特設会場
⼊場料 : 当⽇券800円/前売券700円(どちらも税込み)
主催 : におい展実⾏委員会
企画協⼒: 株式会社アトリエパルファン・⾹りのアトリエ
シュールストレミング・Roda Ulven Surstromming