これは懐カワイイ…「ファンシー絵みやげ」で振り返るメルヘン絵はがきイラスト絵はがき(1/2)
お久しぶりです。平成元年あたりのカルチャーを発掘調査している山下メロと申します。80年代とも90年代とも違うその時代を、平成レトロとして愛好しております。
↑ライブ中に真剣にネットサーフィンしています。
当連載では、80年代から平成初期に流行した「ファンシー絵みやげ」から、当時の流行を紹介していきたいと思います。「ファンシー絵みやげ」とは80年代からバブル経済期~崩壊を挟んで90年代まで、日本の観光地で若者向けに売られていた、かわいいイラストが印刷された雑貨みやげのことです。
「ファンシー絵みやげ」については連載第一回をご覧ください。
■ ファンシー絵はがきとは?
前回の連載では、メルヘンタッチのファンシー絵しおりについて語りましたが、今回はファンシー絵しおりの仲間「ファンシー絵はがき」について紹介したいと思います。
↑前回のファンシー絵しおりでも紹介した高徳瑞女先生がイラストをてがけたファンシーな絵はがきセット。
もともと観光地の土産店では、周辺の景勝地などの観光スポットや祭りなどの行事の写真を使った絵はがきをセットにして販売していました。それをファンシー絵しおり同様メルヘンタッチのイラストに置き換えたのがファンシー絵はがきです。
↑中には絵はがきと一緒にプチしおりまで付いている。絵はがきの前に小さいポケットがあってプチしおりが別に入るようになっているところが凝っている。
ファンシー絵はがきとファンシー絵しおりの違いは、絵しおりにはリボンを通す穴と、結んだリボンが付いていることです。それから絵はがきのほうがイラスト描かれる面積が大きいことです。ファンシー絵はがきセットには、絵しおりのミニサイズのプチしおりがオマケのように3枚入っているものもあります。
↑山口県は秋芳洞のファンシー絵はがき。こちらも高徳瑞女先生。こんな少し大人っぽいイラストもお描きになるのである。
■ ファンシー絵はがきの世界
高徳瑞女先生や、前回紹介した大門多美先生、青山みるく先生以外にもファンシー絵はがきのイラストレーターさんがいました。いくつか紹介していきたいと思います。
↑花のメモワールとはくばれんぽうのファンシー絵はがき。
↑花のメモワールには Kiyoe(きよえ先生?)、はくばれんぽうにはKAYOKO(かよこ先生?)のサインが入っています。
↑特定の地域のイラストではない花のメモワール。
サインだけでなくちゃんとフルネームで作者が書かれているものもあれば、このようにサインだけというものもあります。続いてはサインがあるのに読めないものです。
↑日本海側や北日本で使えそうな雪国のファンタジー。シートポエムというキーワードが書かれている。
こちらのサインは禾と☆が上下で繋がっています。和の禾と口を上下にしたものなのか(かず先生?)、もしくは香の日を☆にしたものなのか(かおり先生?)、読むことができません。
↑ファンシー絵しおりにもあるが、このようにキーチェーンのマスコットのような小さい紙片にイラストが描かれたものがぶら下がっているのがかわいい。
↑こうやって紙だけで輪っかがかけられるように工夫されている。紙だけながら非常に凝っているサービス精神もファンシー絵はがきの魅力である。