超絶美女でも不倫略奪される…谷崎潤一郎2番目の妻が橋本環奈似?
昭和の文豪・谷崎潤一郎といえば、妻やその姉妹をはじめとする美女に囲まれて過ごし、彼女たちをモデルに小説を執筆したことでも有名な人物。
生涯で3度結婚しており、『痴人の愛』のモデルになった最初の妻・千代の妹のせい子と、『春琴抄』『細雪』のモデルになった3番目の妻・松子とその姉妹は注目を浴びた。また、最初の妻の千代は、谷崎が、親友であった佐藤春夫に「妻を譲った」細君譲渡事件でも世間を騒がせている。
「痴人の愛」読んでるけどここの部分めっちゃ拗らせたヲタク(偏見) pic.twitter.com/jsxuEsmdgj
— ヒトミ (@mrhitomi1007) 2017年8月5日
2番目の妻である丁未子は、ある意味3人の妻の中で最も「影が薄い」人物だ。谷崎のミューズとして作品に登場したという逸話もあまり聞かず、3番目の妻・松子に熱烈に恋をした夫に捨てられる…。
今で言うところの「ゲス不倫」の被害者でもある。しかし、実はその丁未子こそ現代の感覚で見ると一番の美女。インターネット上でも、橋本環奈や宮崎あおいに例えられる平成の人気女優風の麗人だ。
■朝ドラヒロインレベルに見える写真も
旧姓・古川丁未子は、昨今「ゲス不倫」という言葉を生み出し「文春砲」と呼ばれるスクープを連発する『週刊文春』発行元「文藝春秋社」の女性記者だった。谷崎の推薦もあったとはいえ、昭和初期に女学校を卒業し雑誌記者となった「キャリアウーマンの先駆け」のような人物像が浮かび上がる。その上、今で言う『朝ドラヒロイン』や『non-noモデル』を思わせる、目の覚めるような美女でもあった。
新婚時代の谷崎潤一郎と2人目の妻丁未子。この写真を目にされたことがある方は少ないでしょう。美貌の妻との結婚生活は、長くは続きませんでした。 pic.twitter.com/Vg8hfbbX7s
— 初版道 (@signbonbon) 2016年5月1日
■他の妻も美女だが「昔の人」風
他の「谷崎のミューズ」も美人ではある。特に、丁未子から谷崎を略奪した松子や、女優になったせい子は華やかだ。しかし残された写真を見る限り、少し大きな顔といい、スタイルといい「大正・昭和の昔の女性」風であることは否めない。実際に昭和初期の写真なので当然ではあるが、そう考えるとよりいっそう丁未子のモダンなかわいらしさに驚かされる。
谷崎潤一郎と三人の妻たち。
— 坂本葵 (@aoi_skmt) 2015年7月30日
1.石川千代 (芸者)
2.古川丁未子 (文藝春秋記者)
3.根津松子 (旧家の御寮人様)
おまけ:千代の妹で女優の葉山三千子(本名せい子) pic.twitter.com/9Z9Jk3RwXB
■平成の美貌を持つ昭和の女
丁未子のみ、現代のアイドルや女優の写真をコラージュしたのか? と目を疑うほど、小顔で華奢な「平成の美貌」を持っている。着物姿の夫婦ツーショット写真は、若い頃の沢口靖子や堀北真希を思い出す清楚な美貌。
谷崎潤一郎と彼が44歳の時に結婚した21歳年下の丁未子さんの写真。谷崎先生もイケメンだけど奥さんも美人だな pic.twitter.com/zGqqXXW4NW
— ke-K (@highkick77) 2017年3月2日
■現代の美少女アイドル風
襟と袖に毛皮のついたコートを羽織ったスナップ写真は、小動物的な愛らしさ。瞳のキラキラ具合は少女漫画のようで、他の写真と比べると太っているにもかかわらず美少女アイドル風だ。
いよいよ明日から。
— 山口 喜子 (@mmhc1210) 2016年2月18日
精一杯貴女として生きれますように。
古川丁未子 pic.twitter.com/I943NEOofm
■編集者としての丁未子
女性編集者としての丁未子を描いた風刺漫画も残されている。「谷崎の小説のミューズではない、略奪不倫で捨てられた」、の2点から、3人の妻の中では冷遇された感のある丁未子。現代と昭和初期では美人の定義がかけ離れているのか? と首をひねりたくなる事実だが、記事を見る限り、結婚前はそれなりに寵愛を受けていたことが伺える。
谷崎潤一郎が新婚した丁未子が元編集者で、結婚した今は編集者に対応する谷崎の秘書のようだとのカリカチュア。昭和6年。 pic.twitter.com/VfVdHzS3tI
— 山中剛史 (@ymnktakeshi) 2016年11月20日
■橋本環奈似というネットの意見も
もちろん現代でも、女性の魅力が容姿だけで決まるわけではない。しかしプロフールを見る限りでは、知性やセンスにおいても、彼女から谷崎を略奪した松子に引けを取るようには思えない。年齢も松子より若かった。
https://t.co/j2GMzzZrKB
— いよかん (@iyokanmikan) 2016年10月6日
谷崎潤一郎(本人)の二番目の妻、丁未子の写真。橋本環奈のような美人。
しかし、人妻の松子への思いを抑えきれず離婚。一番目の妻、千代は平凡だったが、その妹のせい子が「西洋人のような容姿」で、そちらに熱をあげる。ナオミのモデル。
事実『この人たちの結婚』(講談社)を読むと、略奪した愛人側の松子が、妻であった丁未子のことを、
<「非常に知性の高い女性であったので分かりがよく、貴方の幸福の為に別れましょう、と云ってくれた」(『この人たちの結婚』より引用)>
と評している。「不倫している女性が妻に言うセリフか? 」と思える言葉だが、後に谷崎と生涯寄り添う妻になったゆえの「上から目線」かもしれない。丁未子ほど現代的ではないが、松子も色気のある美しい女性だ。現在残されている丁未子の写真より年齢が上であろう顔写真も、和服の似合う色白美人だ。
谷崎松子って笠置シヅ子に似てるよねえ。 pic.twitter.com/puwaXfDUdu
— 青木る(えか) (@daikix) 2016年9月15日
■何故丁未子ではだめだったのか?
谷崎より21歳も若く美しく知的な丁未子がなぜ捨てられたか? のヒントは、『谷崎家の思い出』(高木治江著・構想社)の中に描かれていた。
パンをかじりながら原稿をチェックするようなキャリアウーマン丁未子はあまり家庭的ではなく、料理が苦手だったとのことだ。
二番目の妻、丁未子が食魔谷崎のために松茸料理に挑戦するが大失敗。丁未子は炊事に万事不慣れ、女中のいない高野山生活で夫婦仲に暗雲が立ち込める…。谷崎家助手の高木治江が呆れながらも同情しています。治江『谷崎家の思い出』の描写が忠実に再現されており、私としては興奮を禁じ得ない pic.twitter.com/u4K4RfpBRR
— 坂本葵 (@aoi_skmt) 2017年5月15日
■せい子は妻でないから良かった?
とはいえ『痴人の愛』のモデルでもある「自由奔放なせい子」が家庭的であったとは想像し難い。せい子は葉山三千子として女優デビューまでさせているが、平成の感覚では丁未子のほうがはるかに女優級の美女だ。谷崎は結局、最初の妻の妹であるせい子には振られたとされている。「だからこそ執着した」側面はあったかもしれない。
日本で最初に映画で水着年代なった女優、葉山三千子。『アマチュア倶楽部』(1920年)。映像は残っていない。この映画の画像がこれ pic.twitter.com/tdkIMASJXh
— KoichiroTanaka 田中公一朗 (@Kireal) 2017年1月22日
■借金を抱えた時期の結婚だった
シンプルに谷崎の好みの問題なのか、性格的な不和なのか、経済的にひっ迫した結婚生活だったからか…。今となっては理由は定かではないが美貌の妻を捨て、谷崎は人妻であった松子に走る。
谷崎潤一郎の二番目の奥さん、丁未子さん、綺麗すぎる。かわいい。 pic.twitter.com/VC1Ck8iHaQ
— ルイボスティー (@blackrain1122) 2015年3月28日
■かわいらしすぎる残された写真
実質2年に満たない結婚生活だが、夫婦で雑誌に登場した写真も残されている。「文豪の妻」と呼ぶには若くかわいらしすぎる着物姿だ。
『婦人サロン』昭和6年3月号掲載の谷崎夫妻写真。谷崎と古川丁未子結婚の特集記事がある。当該号掲載の谷崎夫妻写真はこれ1枚のみ。 pic.twitter.com/ZDJSsX5EPy
— 山中剛史 (@ymnktakeshi) 2016年8月17日
■宮崎あおい似という意見も
Twitter上では、女優の宮崎あおいに似ているというコメントも見られた。「谷崎潤一郎の妻」、というより、「谷崎潤一郎の妻を演じる朝ドラ女優」のようにも思える。
二番目の夫人・丁未子(とみこですよ。ていみこじゃないぞ)は、最近だと宮崎あおい似の美人さんだと言われてますね。あと、たまに「谷崎の第二夫人」という表現を見かけるがおいおい。近代日本は一夫多妻制じゃねぇぞ! pic.twitter.com/MxLgfMyzSM
— 坂本葵 (@aoi_skmt) 2015年7月30日
■複雑すぎる女性関係
谷崎をめぐる女性たちは、関係性が複雑だ。妻だけでなく、その妹たちも含めると非常に入り組んでいる。そもそも、女性関係に「妻の妹」が2人も含まれる事態、普通ではない。
「この人たちの結婚」を読んでいてhttp://tinyurl.com/yf3mrfk谷崎、千代と結婚、しかし別居してその妹と同棲。千代を佐藤春夫に譲渡して離婚。丁未子と結婚、二年で別居、松子と同棲。丁未子と離婚、松子と結婚。相関図でも書かないとわからない。自分でわかっていた?笑
— 田村康子 (@writer_tamtam) 2010年4月4日
■女性は神でありおもちゃでもある?
「女性とは神であり玩具」といった名言でも有名な谷崎。2番めの妻・丁未子は、まさに「玩具」のように一方的に別れを告げられたと伝えられている。
。-by 谷崎潤一郎
— 芦花 (@Luhua_Ashibana) 2017年6月2日
だからなのか、千代夫人と結婚してもその妹に手を出し、千代夫人を苦しめた挙句人に譲渡;丁未子と結婚しても松子への思いが高まるばかり;松子と結婚してもその妹さらにその息子嫁に気移りする。谷崎だから許されるのか。
■今なら文春砲集中砲火?
現代であれば、「W不倫からの略奪」と、丁未子の元勤務先である『文藝春秋社』に「文春砲」を打たれるゲスさだが、昭和初期の動乱のさなか「2番めの妻」の存在は忘れられた。
何気に谷崎潤一郎の二番目の妻である古川丁未子さんの記事が載ってる。千代子さんも不幸だったけどこの方も相当だよね……谷崎つったら千代子さんか松子さんのどっちか(あるいは両方)が話題にされることが多くて、丁未子さんはあんまり語られないよね……。谷崎にとって彼女は何だったんだろう…。
— 杉浦絵里衣@9/18文フリ大阪Bー26 (@erii_magaki) 2017年4月24日
■読みたかった「美貌の妻の回顧録」
桐野夏生の小説『デンジャラス』(中央公論新社)では、松子の妹・重子を軸に谷崎の人物像が描かれている。『デンジャラス』はあくまで小説だが、重子が『細雪』のモデルであったことは明白だ。
いま発売中の「週刊現代」の書評欄では、桐野夏生『デンジャラス』(中央公論新社)を紹介。谷崎潤一郎『細雪』の三女のモデルとなった松子夫人の妹の視点から、小説に描かれることの法悦に迫る、評伝的小説です。(編集部がつけてくれるリード文が週刊現代ぽくてよい) pic.twitter.com/tBG1AUbudc
— 江南亜美子 (@ami_ena) 2017年6月15日
「女好き」というにはあまりに病的な谷崎の性癖。そんな彼に「1番目と3番目のつなぎの妻」的扱いを受けた絶世の美女・丁未子。元記者であった彼女が、「事の顛末」を記事として残す時代でなかったことが、残念に思える。
参考
※この人たちの結婚―明治大正名流婚(講談社)
※谷崎家の思い出(構想社)
「近代芸能史を彩る美女たち」記事一覧
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(星野小春)