テレホンカードの度数が足りない…「ファンシー絵みやげ」で振り返るテレカブーム(2/2)

2017/6/9 12:00 山下メロ 山下メロ


■ テレカ型のファンシー絵みやげキーホルダー

テレホンカードが流行しすぎて、テレホンカードを模したキーホルダーも多数売られていました。


↑アルミ製でテレホンカードサイズの大型キーホルダー。このサイズで値段を抑えるのが難しいのかアルミ製が多い。フィルム製の温度計も貼られている上に、テレカの度数表示と矢印がある。


↑KOJIKA STORY と書かれた奈良県のキーホルダー。テレホンカードよりかなり小さいサイズだが、それでも度数表示と三角の方向指示があり、テレホンカード風になっている。その上、何の意味があるのか温度計のような黒い帯が印刷で表現されている。


↑京都は東映太秦映画村の黄門さんキーホルダー。まったくテレホンカード要素がないのに、それでも左上に方向指示の三角があるのは、やはりテレホンカードを意識しているのだろう。


↑神奈川県は三浦半島KUROTARO TABINI DERUキーホルダー。度数表示がなく温度計だけなのに矢印があり「矢印の方向へ入れてもTELできません」とわざわざ書いてある。度数表示がないものの、左下の縦線2本は50度数を表すもので(100度数は3本線)、初期のテレカでは必ず表面に入っていたものである(後に裏面に移動)。謎の「32」の表記があるが、その謎は裏に書かれていた。


↑裏を読むと「32度までわかります」……表の温度計は32まで。つまり、現在の温度のところだけ文字が浮かび上がる温度計を度数に見立てているのである。表に大書された「32」は50度のテレカに「50」と大書されているのと一緒で、32度のテレカと言うことである。いやはやこれは分かりにくい……が、ある意味意欲作である。

ついでにテレホンカードだけでなく、SUICA以前にあったJRのプリペイドカードであるオレンジカードもおみやげキーホルダーになっているので紹介します。




↑表にも裏にもTOKYO HARAJUKUと書かれているが、新幹線・東京タワー・サンシャイン60(?)と原宿感は皆無である。

■ ファンシー絵みやげのテレホンカード

NTTではホワイトテレホンカードという、自由に絵を描いたり印刷したりできる真っ白なテレカを発行していました。ファンシー絵みやげを作るメーカーでは、ホワイトテレホンカードにプリントしたものがほとんどです。ホワイトテレホンカードは1枚からでも作れてしまうため、コレクターの収集対象からは外れるようですが、私はファンシー絵みやげであるため保護しております。


↑このように「ホワイトテレホンカード」の文字が見えている。ベースに書かれている度数表示なども生かすことができる。全面に印刷をして文字を消すパターンがほとんどだが、インクによっては左上のように「ホワイトテレホンカード」の文字が透けてしまう。


↑ファンシー絵みやげのテレホンカードは金箔やホログラムなどお金のかかった豪華な仕様が多い。中には左下のように金かつホロという珍しいモノも。

では、最後にこちらのテレカをご覧ください。



公衆電話を減少させ、テレカの需要を減らした携帯電話をPRするテレホンカードという、今見ると少し皮肉めいたものを感じるアイテムですね。

こういった色々な情報のあふれるテレホンカードを鑑賞して語らう会を6月18日の昼に高円寺で行いますので、よろしければご参加ください。詳細はこのページの下にあります。

では、また次回。

(文と写真:山下メロ“院長”)

■ 保護のお願い

私は全国の観光地で保護活動を行っていますが、現地から消滅したファンシー絵みやげについては、皆様の家に残されたものが頼りです。もしご実家などの学習机の引き出しの中に眠っているものなどが見つかりましたら、是非ともご一報ください。ハッシュタグ #ファンシー絵みやげ での報告も待ってます。

《イベントのお知らせ》
6月18日(日)昼に高円寺Punditにてテレホンカード鑑賞会を行います。

ぶっとび~テレカ探偵団 1度数「おもいッきりテレカ」


OPEN 12:00 / START 13:00
前売¥1,200 / 当日¥1,500(共に飲食代別)
【出演】 山下メロ、てれこま(謎の店)、\ヘッチャリンコ/
【ゲスト】 UN21(妖怪シール・カードコレクター)

80年代90年代に多数作られたテレホンカードを大量に鑑賞し当時のカルチャーを語ります。 アイドル、アニメ、TV番組、CM、博覧会、お菓子、飲料、おもちゃ、車、観光地、個人の記念品から子犬、子猫…

欲しいテレカがありましたら、ご来場のお客様にもプレゼントします(※使用済みテレカのみ)。大量のテレカから「これは!」というテレカを探す鑑定作業にも、ご希望のお客様は参加していただけます

80年代観光地みやげ=ファンシー絵みやげのテレカも紹介。
ファンシー絵みやげの現地保護活動報告もやります☆

今回は、ゲストにシールコレクターUN21さんが登場!
UN21さんのテレカコレクションも紹介します☆

イベント終了後に北中夜市に出店予定です ※雨天中止     


《番組出演のお知らせ》
スチャダラパーBoseさんの番組『さきどりBose』に出演いたしました。GYAO!にて無料で視聴いただけますので、リンク先より是非ご覧ください。

さきどりBose #18(番外編) 
山下メロがやってきた ファンシー絵みやげをご紹介!



平成レトロ研究家の山下メロ、スキーファッションでトレンディに乱入! アラサー、アラフォー世代の心をくすぐる「ファンシー絵みやげ」の世界をご紹介! Boseも思わず吹き出す懐かしい80年代~90年代あるあるが続々登場! バブル期のみやげ物はローマ字だらけ! 遺族NGの出ない歴史上の人物とは? 山下メロのファンシー絵みやげ「保護活動」に、いつも楽しそうな小池美由が思わずドン引き? そして、衝撃の一言を放つ!
    


《グッズ発売のお知らせ》
卒業生代表さんの民芸みやげ風な通行手形ICパスケースに、私がファンシー絵みやげイラストを描いた最高なコラボ商品が完成しました!ヴィレッジヴァンガードのオンラインショップで購入できます☆

【卒業生代表×山下メロ】通学手形ICパスケース


    


《イベントのお知らせ》
7月13日(木)の夜に阿佐ヶ谷ロフトAで、旅するイラストレーター キン・シオタニさんのイベントにゲスト出演いたします。TVKの街歩き番組「キンシオ」でもおなじみのキンさんと、ともに全国を旅する2人がどんなトークをするのかお楽しみに!

キン・シオタニpresents「描き語り34」

OPEN 18:30 / START 19:30
前売¥2,100 / 当日¥2,600(共に飲食代別)
前売はローソンチケット【Lコード:34390】から ※5/27~発売
【出演】キン・シオタニ
【ゲスト】山下メロ院長(ファンシー絵みやげ研究家)

旅するイラストレーター、キン・シオタニのトーク&パフォーマンスライブ。
今回は前回に引き続き、1980年代に国内の観光地にあふれていたファンシーイラストのおみやげ「ファンシー絵みやげ」を収集している山下メロ院長がゲスト。前回参加できなかった方ももちろん大丈夫。2人の不思議なコンビネーションは必見です。 ドローイング・シアターも、もちろんあります。     


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