ビーバップも湘爆も観光地にいた！？…「ファンシー絵みやげ」で振り返るツッパリ・ヤンキー・暴走族ブーム（2/2）

2017/5/19 12:00

■ ビーバップハイスクール

“湘爆”の翌年1983年には、きうちかずひろによる留年不良漫画『ビー・バップ・ハイスクール』（BE-BOP-HIGHSCHOOL）』が週刊ヤングマガジンで連載開始します。1985年にこちらも実写映画化され、主人公のトオルを映画デビューの仲村トオルが演じましたが、こちらはもともと本名が同じ読みだったことがオーディションで選ばれる一因となり、漫画の役名と本名が一致するケースでは江口洋介と共通します。もう一人の主人公ヒロシを演じたのは清水宏次朗でした。

↑BBHという柄のアロハシャツを着た…トオル！？トロピカルテイストになっているが、BBH＝ビーバップハイスクールでは？千葉県は大多喜城でかつて売られていたファンシー絵みやげバインダー。

↑改造学生服で、ボタンの裏側につける樹脂パーツを、こういったエポキ樹脂コーティングのものに変更するのが不良学生に流行っていた。今でも売られている。暴走天使や恋人募集中などの文字が定番だが、1980年代にはこういったアイドルやキョンシー、そしてビーバップハイスクールとしか思えないようなイラストのポップな裏ボタンがあった。

■ その他のヤンキー漫画

その後ヤンキー・暴走族漫画は多数発表されます。有名なところでは森田まさのりの『ろくでなしBLUES』（1988年週刊少年ジャンプで連載開始）、1991年には週刊少年マガジンで『疾風伝説特攻の拓』など。少女漫画にも紡木たく『ホットロード』など、それから児童漫画であるコミックボンボンのもとはしまさひで『V8キッド』などと幅広い漫画においてヤンキーが扱われるほどに流行したのです。

↑『ろくでなしBLUES』を彷彿とさせるファンシー絵みやげの暖簾。1955年の映画『暴力教室』の英題『Blackboard Jungle』も書かれている。

■ 不良ゲームとヤンキー雑誌

1986年には不良学生がテーマのアーケードゲーム「熱血硬派くにおくん」が登場、翌年にはファミリーコンピュータでも発売されるなど、ゲームの世界にも不良の要素は波及しました。1987年には暴走族に寄った二輪と四輪の雑誌『チャンプロード』を笠倉出版が創刊。1980年代後半から1990年代にかけて『ディーンズロード』や『ヤングオート』、『ライダーズコミック』など類似の雑誌が多数刊行されました。

■ 観光地とヤンキー

修学旅行に来る不良学生も、おみやげは買います。では何を買わせるかというと、まずは武器として使える木刀でしょう。そしてこれまで見てきたような旭日旗モチーフの商品は、Tシャツから暖簾、タペストリー、そしてクッションまで多数ありました。中でも目をひくのは、フラッグです。そのまま暴走族の旗棒に付けられますので、非常に実用的な商品でした。