■ 日本のネッシーたち

イギリスはスコットランド・ネス湖で目撃された巨大な水棲生物「ネッシー」は、UMAの象徴ともいえるでしょう。目撃映像がテレビで放映され、非常に関心を集めました。そして日本でも、便乗か真実か、各地に「〇ッシー」という名前のついた水棲生物が目撃され、そして町おこしのように使われていたのです。当然のように、その流れに乗ってファンシー絵みやげも作られていました。


↑北海道・道央にある洞爺湖のトッシー。こちらはぬいぐるみのタグ。


↑山梨県は富士五湖のひとつ本栖湖のモッシー。こちらはステッカー。

他にも箱根・芦ノ湖にアッシーなど、とにかく全国各地で〇ッシーが生まれました。紹介しているとキリがないので、有名なクッシーとイッシーを重点的に紹介します。

■ 屈斜路湖のクッシー

北海道は道東にある屈斜路湖ではクッシーが目撃されています。屈斜路湖の周辺には温泉がたくさんがありますが、中でも湖の砂浜を掘ると温泉が出る「砂湯」が有名で、その近くでクッシーのグッズが売られていました。


↑雪山に囲まれた屈斜路湖の雄大な景色のすぐ脇で入浴できる。目の前には白鳥が泳いでいる。


↑屈斜路湖近くに立っている防災看板にもクッシーが登場。クッシーだって火事嫌い…なのか！？


↑ステッカーにキーホルダー。純然たるファンシー絵みやげと呼べるのはステッカーだけだろうか。

■ 池田湖のイッシー

鹿児島県指宿市にある池田湖ではイッシーが目撃されています。こちらも砂風呂が有名な指宿ですから、なぜか砂にまつわる温泉のある湖というのは、ネッシー的なUMAが目撃されやすい場所なのでしょうか。


↑商品タグとテレホンカード。目撃談しかないUMAだけあって、当然のようにイラストはバラバラである。


↑何がすごいって、上のタグの「iT・SHi～」「ITSSHIY」という表記である。もはやローマ字ではなく英語の発音に忠実すぎる「T」を入れた促音表現。本家ネッシーも「Nessie」だから、それをもじったわけでもない。


↑イッシーくんの石像にまたがり、イッシーくん状差しをくわえさせた。

最後に衝撃的な商品を紹介します。


↑とってつけたように、イッシーくんと無機質に体の空いたスペースに書かれたキーホルダー。「イッシーくん」と「君付け」していながら、可愛げがなさすぎる……

これを裏返してみると…


↑裏側はよくある透視図的な化石のイラストになっているのですが、「ぶろんとザウルス」の文字が……これは単なるブロントサウルス（恐竜）のキーホルダーに「イッシーくん」とだけ書き込んで池田湖のタグを付けた手抜き商品では……

せめて裏側の「ぶろんとザウルス」を消して欲しかった……ひどすぎる……

では、また次回。

（文と写真：山下メロ“院長”）

■ 保護のお願い

私は全国の観光地で保護活動を行っていますが、現地から消滅したファンシー絵みやげについては、皆様の家に残されたものが頼りです。もしご実家などの学習机の引き出しの中に眠っているものなどが見つかりましたら、是非ともご一報ください。ハッシュタグ #ファンシー絵みやげ での報告も待ってます。



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