秋・冬・春「としまえんのプール」がこんなことに…夏以外の“裏の顔”とは

2017/3/21 18:00 スージー小江戸 スージー小江戸



夏は30万人も泳ぎに行くという大人気の「としまえん」のプール。
かつて「プール冷えてます」というキャッチコピーとペンギンのイラストの広告で一躍有名になって以来、毎夏おもしろい広告で我々を水辺へいざなうアノ場所が、近ごろは夏以外に見せる“裏の顔”でも話題らしい。

というのも、水は黄土色とも深緑ともつかない独特の色に変わり



プールサイドには手に竿を携えた人々が立ち並び



何と、プールというプールがことごとく



巨大釣り堀に大変身!!

水の色を見ると「夏はここで人間が泳ぐのか…」と軽いトラウマになりそうだけど、裏の顔「としまえんフィッシングエリア」の方も着実に人気を呼び、今年でもう営業7年目。釣るのはもちろんその場で炭火で焼き魚にして食べるもよし、持って帰って好きに料理するのもOK。

9月末~5月頭まで7か月以上も営業しているので、夏のプール期間2か月に比べてもはやこっちが表の顔では!?ということで美味しいニジマスを求めて行ってみました!

■プール肥えてます!?獲物を狙うのは人間だけじゃなく…


都営地下鉄大江戸線か、こちら西武池袋線の練馬駅から支線・豊島線で1駅の「豊島園駅」に着いたら


改札の目の前が「としまえん」入口。遊園地の入場口はスルーして左手方向へ。


営業期間中は看板があちこちに。オープン時間は朝7時~夜7時まで、土曜日は何と夜10:00まで開いてる!


としまえんのプールの象徴、巨大スライダーの「ハイドロポリス」が見えてきた!
空を群れ飛ぶカラス?黒い大きな鳥の多さにビックリ。不穏な空気を感じつつもサクッと入場。


夏には「流れるプール」と呼ばれていた「アマゾンエリア」沿いに歩き、受付へ。


看板の左手にあるプレハブの中で受付を済ませる。
料金は、土・日・祝日1時間=男性1200円、女性1000円、シニア・中学生以下は800円

時間が増えるほどお得で、平日は更に割引アリ。この日は土曜日で、女性、3時間を選び2400円をお支払い。


魚焼き場の右側遠方が夏は「波のプール」だった「ミシガンエリア」で、フライとルアー専用、つまりガチな釣り人のためのエリア。


魚焼き場の裏手は「ナイアガラプール」こと「ナイアガラエリア」でルアー専用

どちらもロッドとリールをレンタルして(3時間1100円~)、ルアーやフライは好きな物を受付で買えばいきなりでも挑戦が可能。ただ、そこまでのチャレンジャーはほぼ居ない感じ。


筆者も実はマイ竿、リール、ルアー持ちだが完全に丸腰参戦、迷わず「アマゾンエリア」のエサ釣りコーナーへ。ルアー釣りで悲劇的なボウズ率を誇る身としては、今日は釣果と食い気を優先!です。


竿と仕掛けは便利なワンセット(レンタル料は3時間まで600円)。エサのイカの切り身は1パック200円で購入しました。

実は前日の金曜日が魚が大量投入される「放流日」で、「土曜日に絶対釣りたいなら朝イチの7:00がオススメ」と聞いていたのに、この時点でもうお昼近く。まぁどうせすぐには釣れないよね~とのんびりセッティング。


しかも水、濁りまくり!魚いるのかいないのか全然見えず。

そんなわけでテキトーに糸を垂らし、まずはお茶とお菓子で一服…

していたら2分足らずで



いきなりヒットォォォォーーーーー!!

うわー、何これ魚たくさんいるよぉぉ!
「プール冷えてます」じゃなくて完全に「プール肥えてます」状態


いや、しかし…

んがっぐぐぐ………

お魚さん、針を深々と飲み込んでて全然取れない!


格闘すること5分…手も魚も血まみれホラーの地獄絵図になった後、やっと針の抜き取りに成功(ちなみにエサ付きっぱなし)。

針のスペアは無いので、飲まれたときは背後のフェンスにくくりつけられた針外し用のペンチを使おう。


釣れた魚は受付でもらった網にキープ。

周りを見るとさすがエサ釣り。カップル、親子連れ、皆そこそこ釣れていて、遠くにいた大学生グループは50㎝オーバー?と思われる大物を釣り上げて大騒ぎ。


対照的に一緒に来てくれた友人、デザイナーでフラダンサーのスズキョの竿には当たりゼロ。ただただジェットコースターが目の前を通り過ぎて行く…。


そんな様子をハイドロポリスの上からじぃっと伺う例の鳥さんたち。


そして、友人を尻目にドヤ顔でヒットしまくる筆者。


エサ釣りエリアで釣れたのは500mlのビール缶よりちょっと大きい20㎝強、レギュラーサイズのブルックトラウト(川鱒)がほとんど。

放流日は毎週2回(3月は月・金曜日)。“富士の流水で美味しく養殖された5種類の鱒”が全エリア計350㎏~400㎏も放たれるらしい。放流直後の「プールが肥えまくった状態」なら入れ食い状態かも…その日を狙って来るのが一番楽しそう。


このエリアへの放流魚はレギュラーサイズだけど、数本入っているという大型魚。さっきの大学生みたいに釣れないかな~と粘っていると、「フライングパイレーツ」方向から強い視線…


夜間照明の上に1羽いる!



バサアァァァァァ

ぎゃーーー、こっち来たあああ!


向こう岸にスッと着地。カラスより全然大きくて首も長い、さてはお前

カラスじゃなくて、カワウだな!

彼らの正体は川鵜でした。どうやら釣果を横取りに来たのではなさそう。


次の瞬間、カワウが体を屈めて水面へジャーンプ!

もしや水中に潜って魚を獲るシーンを目撃できるのか!?

長良川の鵜飼いのショーのように!


と思いきや、ソッコー岸に上がんのかーーーい!


そのまま悠々と飛び去っていきました。。。

スタッフの方に聞くと、カワウはたぶん上野不忍池から来ているとのこと(結構な距離を飛んでくるのね)。1~2羽が先陣を切って偵察にきた後、大挙してやってくるらしい。

人間界よりカワウ界の方がよっぽど“報・連・相”が徹底されてる!と感心してたら


ついにスズキョの竿にヒットーーー!


コンビニで買ったキッチン用ゴム手袋がついに役立つ時が!いやぁ、それにしても魚が釣れるって、こんなに人を笑顔にするんだなぁ~。


うぉーー、イキが良すぎ!


自分で針を外し逃走中のお魚さん


しかしアッサリ捕獲。もう早く食べたいのでこれにて釣り終了~。
ちなみに1匹も釣れなかったとしても、受付に言えば1匹サービスしてくれるそうなので大丈夫。

受付に道具を返したらすぐ近くにある流し台で釣った魚をさばきます。備え付けのキッチンばさみを使って、書いてある通りにやるだけなので簡単。

それにしても今回思ったのはキッチンゴム手袋の何と万能なことよ。手が魚臭くなるのを防げるし、針外しのたびに外科手術のように手が血まみれにならずに済むし、さばく時は水の冷たさも和らぐので超オススメです。


さばいた後は、その場で焼きたい匹数分の竹串を1本100円で購入。串の打ち方も書いてあるので心配なし。

持ち帰りたい場合はアルミの手提げ・保冷剤・塩の3点セットも500円で売っているのでその場で決めるのもあり。


備長炭でまんべんなく焼き焼き…塩振りすぎて白い服を着てるみたいになっちゃったよ。


さすがにしょっぱいので全力で塩を落としたら皮ごといけました。予想以上に身がふっくらしていて美味!

◆◆◆

エサ釣りエリアは友達や家族と一緒に気軽にワイワイ、ルアーやフライはガチ釣りやオフシーズンの練習場として、色んな人が楽しめることが分かったとしまえんのプールの“裏の顔”。

今年は5月7日(日)まで営業しているらしいので、興味を持った方、ぜひ試しに行ってみてください。

■としまえんフィッシングエリア
http://www.t-fishingarea.com/


(スージー小江戸)