【画像あり】昭和初期美少女の清楚可憐さの秘訣は乙女袖と乙女襟？

2016/12/15 16:45

美女

連続テレビ小説『べっぴんさん』（NHK系）はいよいよ佳境に入り、12月13日の平均視聴率が21・9パーセント（関東地区・ビデオリサーチの調べ）と好調です。メインテーマがファッションなだけに、主要メンバーの美貌と清楚な衣装に釘付けになっている方も多いのでは？　今回は、そんなレトロで淑女らしい昭和初期ファッションの、特徴的な襟元と袖に注目しつつ、当時の美人女優の写真をご紹介します。

■悲劇のアイドル系女優水久保澄子の上品なワンピース姿

戦前にアイドル的な人気を博した水久保澄子の、大きな袖をふわりと肩まで纏ったワンピース姿は愛らしいの一言。『映画論叢 4』（編集丹野達弥、樹花舎・星雲社）によると、かの有名な田中絹代と人気を二分するほどの少女スターだった彼女は、金銭をたかる父親との関係に悩み自殺未遂騒動を起こし、世間を騒がせます。さらにフィリピン人の詐欺師のような男性に騙され結婚、フィリピンに連れ帰られて、ようやく逃げ帰った日本映画界には彼女に居場所は無く、消息不明となる……。という悲劇的な運命を辿った人物でもあるようです。

きょう10月10日は女優の水久保澄子さんの誕生日です　東京都出身　松竹歌劇団から映画界入りして活躍しましたが度重なるトラブルで戦後は消息不明のままです　1916年生まれ pic.twitter.com/qdQVigbnij
— minamino (@tokyobombers) 2016年10月9日

■天才少女スター鰐淵晴子は小公子のような丸襟＆フリフリおリボン

昭和28年の『女学生の友』（小学館）の口絵は、天才バイオリニストにして美少女スターであり、ハプスブルク家末裔の母を持つ鰐淵晴子。首元の詰まった丸襟に可愛いらしいおリボンが小公子のようですね。右の写真の少女も、同じく首の詰まった丸襟、ボタン周りにはフリルがあしらわれており、やはり王子様系です。

本日の一品は「女学生の友　昭和28年12月号　小学館」https://t.co/vC2la2L2ZY
口絵チルチルに鰐淵晴子、写真小説に近藤圭子、な一品。#本日の一品 pic.twitter.com/99RbPg4Ewn
— じゃんくまうす (@nezumikootoko) 2016年11月5日

■現代の男子にもウケそうな童顔美少女市川春代は原宿系？

キラキラした大きなお目目のベビーフェイスがラブリーな少女スター、市川春代は現代的なアイドル顔ですね。深いVネックの襟元も、胸の薄い華奢な少女が着ると可憐さが際立ちます。

市川春代さんもう1枚。これも1935年頃の写真。 pic.twitter.com/hzuOnDqbnE
— 戦前～戦後のレトロ写真 (@oldpicture1900) 2016年3月30日

下記の写真もキュートなVネックワンピース。花びらのようなデザイン性のある袖と、あえて靴下をあわせたハイヒールのバランスが最高におしゃれです。今原宿にいても即スカウトされそうな可愛いらしさです。

1931年（昭和6年）。女優の市川春代です。週刊朝日より。本当に可愛いですね。 pic.twitter.com/cUdqN1KbX2
— 戦前～戦後のレトロ写真 (@oldpicture1900) 2016年12月8日

ラガーマン風のスポーティーな衣裳から、モガ風のフリンジ付きブラウスなど幅広く着こなす彼女は、現代であれば少女達のファッションリーダーと呼ばれそうな逸材ですね。

女優の市川春代さん（1913-2014）です。戦前の女優さんには珍しいタイプのベイビーフェイスな人気女優で、現代劇も時代劇もいけました。戦後も長く活躍。4枚目の右は宮城千賀子さんです。 pic.twitter.com/cZ2IsNhqh1
— 戦前～戦後のレトロ写真 (@oldpicture1900) 2016年5月2日

■スタイル抜群大人のファッションリーダー桑野通子

市川春代が少女のファッションリーダーなら、抜群のスタイルと垢抜けた美しさで人気を博桑野通子は大人の女のファッションリーダー。下記の写真では、スクエアネックの襟元から覗くデコルテが美しく、少し面差しが女優の蒼井優や黒木華に似て見え、清楚な小悪魔感を感じます。

@MichikoKuwano
こちらも桑野通子のデビュー作「金環蝕」(1934年松竹)のワンシーンから。スタイリッシュな洋装姿がカッコいい。 pic.twitter.com/UDFiwU0yUd pic.twitter.com/nKEzufJ8L6
— MichikoKuwano (@MichikoKuwano) 2013年10月30日

打って変わってこちらは、チャイナ風の襟元＆ドラゴン柄ブラウス。着る人を選ぶデザインですが、迫力負けしていないところがクールです。

『愛染かつら』(1938)での田中絹代の看護婦さん姿やお着物も可愛かったけど、米国帰りのお嬢さん役の桑野通子の洋装がステキだったな。しかしこのドラゴン柄のブラウスはスゴイ。美しくないと着こなせませんねw pic.twitter.com/wZ8DCvyGmf
— リディ子 (@wuer76) 2016年2月9日

■今年の流行に近い？　入江たか子のハンサムな着こなし

昭和2年に、オシャレでモダンな学校として有名だった文化学院を卒業した女優の入江たか子。日活現代劇人気ナンバー1女優として名を馳せた彼女の服装は、襟を立てたシャツにワイドなパンツ。今年の流行にも近いスタイルです。彼女が表紙を飾っている雑誌の「嘘を吐く愛人」というコピーも意味深で気になります。

『週刊朝日』
表紙を飾るのは、日活の入江たか子嬢。
昭和一桁を代表するモガですね。　表紙率が高いです。 pic.twitter.com/meIuyOmUjj
— 木挽堂書店 (@kobikidoshoten) 2015年4月18日

■芸者出身美人女優のスポーティーな一面？

売れっ子芸者出身女優筑波雪子が、スポーティーな女学生風の襟元の服を着こなし、テニスラケットを抱え微笑む一枚。カジュアル＆ガーリーな衣装に反して、玄人っぽいお化粧のギャップが面白いですね。

筑波雪子 pic.twitter.com/qcx15VSPTN
— はら (@yamamozo) 2015年6月20日

■大女優田中絹代の、和風な顔に映える大胆ボーダー

昭和を代表する大女優・田中絹代の、ネクタイ風襟飾りがモダンなブラウス姿。アシンメトリーなボーダーが斬新で、和風のお醤油顔をかっこよく引き立てています。

小津安二郎作品の、田中絹代。『非常線の女』（1933年）、『彼岸花』（1958年）。 pic.twitter.com/aW6cgqoeLz
— ジャクジャク：関連 (@jakjakh24) 2016年11月4日

こちらは襟元に大胆にフリルをあしらったトップス。真っ先に襟に目が行くので、小顔効果も期待できそうです。

田中絹代 #似てると言われたことのある有名人を晒す pic.twitter.com/hwCw65nwNa
— Omelette講釈 (@yamada1171171) 2016年4月17日

■これぞ理想の昭和乙女！　セーラー服のお嬢様風着こなし

冒頭写真でもご紹介した、高杉早苗と逢初夢子のセーラー服姿は、柔らかそうな生地と大振りのふんわりタイが優美で、お嬢様らしい初々しさに溢れています。

うわぁ素敵。@japagajp: 島津保次郎監督「隣りの八重ちゃん」1934に登場するセーラー服はとても派手です。このまま銀座に出かけても良い感じ。ネクタイを下で結び胸元をタイピンで留めてタイを大きく広げています。高杉早苗と逢初夢子 pic.twitter.com/4VO6yMl2XL”
— 樋口舞 (@MaiHiguchi) 2014年5月8日

こうやって写真を眺めてみると、昭和初期乙女のファッションは“襟と袖”にポイントがあることが分かってきます。手芸の得意な方なら、手持ちのブラウスの襟や袖をちょっとアレンジするだけでなりきることができそうです。

戦中・戦後の混乱期に“美しく生きる”事を提唱した、乙女のカリスマ・中原淳一氏のLINEスタンプも参考になりそうですね。

LINEスタンプ「中原淳一の美しい日本語スタンプ」が発売！内面から[美しく生きること]を伝えた中原淳一。数多くの著書から現代のライフスタイルで使える40個の言葉を美しいイラストと共にスタンプにしました。楽しみながら使ってみてください。https://t.co/RKS0VzaapB pic.twitter.com/vnOnm0c1ie
— 中原淳一[official] (@himawariya_info) 2016年12月12日