中居プロデュース『舞祭組』がデビュー決定!ブサイクの底力を見よ!!

2013/11/12 21:02 柚月裕実 柚月裕実

グループ名を検索すればブサイクと出るし、遅咲きだの他のグループに入れなかった寄せ集めだの、いろんなことをいわれてきたKis-My-Ft2。




ネットでは「キスマイ ブサイク」という検索数が右肩あがりで伸びた時もあったし、冠番組が持てたかと思えば『キスマイBUSAIKU!?』(フジテレビ系)と、「BUSAIKU」の文字が入り込むし。(略してキスブサと呼ばれています)

この間スタートした新番組も『Kiss My Fake〜キスマイフェイク〜』(TBSテレビ系)、ブサイクに続いてフェイクとは……。

いや、いいんです。何を言われてもそれを逆手にとるという話で、これもきっと戦略のうち。むしろジャニーズが好きじゃない人たちにも知ってもらえるし、そこから人気が出て露出が増えれば喜ばしいことですもの。



と無理やり解釈をしても、問題はこれだけにとどまらず……。「ブサイク」のほかに、もう一つ言われてきたことがあるんです。それはグループ内での「格差」。

7人という構成上、前後で3人と4人に別れることが多いキスマイ。特にメインとされているのが北山宏光さん、玉森裕太さん、藤ヶ谷太輔さんの3人。このメンバーの後ろに立つのが、千賀健永さん、宮田俊哉さん、二階堂高嗣‎さん、横尾渉さんの4人。

メインの3人にみられる落ち着いた雰囲気とは対照的に、後ろの4人は事あるごとに、まるでひな壇芸人のように立ち上がっては声を張ってしまう性分。

そんなキャラクターに加えて、この3人と4人では衣装が異なることがとても多く、曲の中にあるソロパートの量も違う。そうなると自動的に画面に映し出される頻度も変わってくる。連続ドラマや映画の主演が相次いで決まる3人と比べて、露出が少ないことから「グループ内格差」が何かと話題になってきました。

裸の時代
裸の時代



例えばシングル「キ・ス・ウ・マ・イ ~KISS YOUR MIND~」のPVでは、映像のストーリーに合せてセットや照明が暗めの演出。しかし前の3人とは対照的に、後ろで踊る4人には照明が当たらず、シルエットになってしまう場面が多々ありました。構成上仕方ないとしても、さすがにこれは悲しい気持ちに……。




「格差」というよりも「差別だ」という声が増えていきました。

デビュー以降、共演する機会が増えたSMAPの中居さんは、メンバーと共演するたびに「早く後ろの4人が同じ衣装を着れるといいですね」、「後ろの4人が同じ衣装を着れる日はいつになるのでしょうか」そんな言葉を投げかけていました。




しかし神様はそんな彼らのことを見捨てなかった……

10月15日、事件は起きた。それは『キスマイBUSAIKU!?』(フジテレビ系)のスペシャルの日でした。SMAPの中居さんがサプライズゲストとして登場し、番組をジャックした時のこと。バラエティーの先輩として終始腕を振るっていたのですが、番組の最後にこんなことを切り出しました。

中居「3人と4人がこんなに、如実にわかれているグループって初めてなのよ。これどう思ってるの?4人は」
メンバー「いや……」
中居「ぶっちゃけその話はしないの?」
藤ヶ谷「正直しました」
中居「おまえらいつまで衣装コレなんだよ、って言えないの?」
北山「い、いえないっすよ(苦笑)」
千賀「逆に中居さんどうすればいいですか?」
中居「(4人の)シングルのボーカルはあるの?」
4人「ないです」
中居「そしたらさ、4人でなんか歌とかやればいいじゃん。4人でシングル出せばいいじゃん」
無理…絶対に無理じゃない?とざわつくメンバー

宮田「“やればいい”で、出来ることじゃないじゃないですかぁ~(泣)」
中居「じゃあその4人の歌、俺が作ってやるよ。俺のセンスでよかったらば作ってあげる」

山が動いた。物語が動き始めた瞬間だった。信じられない様子の4人は状況を理解すると表情が一変。飛び跳ねて喜びを分かち合っていました。と、こんなやりとりのまま番組は終了したのでした。


そして放送から約一ヶ月。遂に運命の日はやってきました。







11月11日からスタートした歌番組『SoundRoom』(TBS系列)、SMAPの中居さんとリリー・フランキーさんのMCによる音楽番組がスタートしました。

そこで初お披露目となったのが、“後ろの4人”によるユニット


グループ名は『舞祭組』(ブサイク)
タイトルは『棚からぼたもち』
なんと12月にCDデビュー決定!!
とんとん拍子とはまさにこのことではないでしょうか!





サラリーマンスーツに身を包み、哀愁漂う歌詞にブサイクを連呼……こんな自虐ネタたっぷりの歌をうたいあげるグループが今までにあっただろうか。

彼らはやったのだ。「ブサイク」も「格差」も逆手にとったのだ!



この4人だからこそ出来ることがある、もうこんなことも言わせない!






以前別のテーマ『Youたち祝っちゃいなよ! ジャニーさん82歳の誕生日」』でも少しだけエピソードを取り上げたのですが、

4月17日放送『ナカイの窓』では「ジャニヲタ芸能人」と題して、中居さんがジャニーズ事務所の裏側について語る機会がありました。

各グループのメンバー構成について聞かれると、「ジャニーさんはプロ野球を意識してる」と解説。初めに人気の出る中心メンバー、野球でいえばジャイアンツとその対抗馬である阪神に匹敵する人材を集めて、あとの2~3人は、まだ人気のない地味目なメンバーを入れる傾向にあるのだとか。
「まず巨人がしかっりしてないとグループ名が有名にならないから。うちなんかのメンバーで言ったら、俺と木村くんが派手なタイプだから。他に地味な3人4人がいたりして、でもこれがでてくるまでにすごく時間がかかるのよ。だからまず中居と木村でワッと行かして。まずこの4人(他のメンバー)が出てくるまでに解散しちゃうのよグループって。でも4人が出てきた時はやっぱ強いよね。」と、グループ全体に人気が出始めると、自分でも“ヤバイ”と思うほどの勢いなんだとか。

「草彅君が一番最初にドラマで主演したのが97とか98年だもん。SMAPが出来たのが88年だから10年間何もなかったんだもん。それまでだよね、それまで我慢が出来るかだよね。おかげさまで解散しなかったから。今だってもう、草彅君のお仕事の引っ張りだこさ半端じゃないからね。最初の頃感じてた草彅人気……人気でいったらやっぱり木村君とか森君とか、稲垣君とか。でも今は仕事、芝居の引っ張りだこ加減は草彅君がナンバー1」

10年間耐え抜いたからこそある現在。それなりの戦略を持ってデビューしても、必ず人気が出るとは限らない、そしてそれが継続する保障もない厳しい世界。そこで10年間メンバーと共に踏ん張った経験があるからこそ、下積みが長いキスマイのことが気がかりだったのかもしれません。

「でもやっぱり、みんな木村君になりたい。ボーカル歌いたいし真ん中で踊りたいし、ドラマやったら主役やりたいし…っていうのが20代はフツフツとある。それは僕にもありましたけれど……。」

「アイドル」という職業だからこそ抱える悩みや葛藤。プロデュースを買って出たのには、これら全てを理解しているからこそだと言えそうです。



楽曲自体は軽快なスピードでノリがいいし、振り付けも覚えやすそう。何よりユニークな歌詞はマンネリしがちなカラオケにパンチを効かせてくれるし、掛け合いもあるので盛り上がること必至! 忘年会にぴったりのナンバーといえそうです。
仕事でなんら実績を残せなかった、まるっきりモテなかった、恋人にフラれた……etc 「今年一年は冴えなかったなぁ~」なんて方は、最後の最後に笑いは取れるかもしれません。CDは12月13日発売。宴会にぜひこの一曲を!


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(柚月裕実)