女子の憧れを描いたファッションイラストレーター森本美由紀の展覧会は男子も必見!

2015/8/6 09:45 Tak(タケ) Tak(タケ)


30年に渡り、雑誌『MINE』『mc Sister』『Olive』『25ans』『VOGUE』他に、ファッショナブルな憧れの女性像を描いてきたファッションイラストレーター森本美由紀の展覧会が、弥生美術館で開催されています。
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/

 
「ファッション・イラストレーター 森本美由紀展」

森本美由紀さんの名前をもし知らなかったとしても、絵を観れば「あっ!この絵を描いた人か!!」とすぐに分かるはずです。とにかく女の子がなりたい素敵なイラストを描かせたら、彼女の右に出る者はいません。

 
「『ヴォーグ・ニッポン』2004年12月号掲載原画」 
紙・墨・カラーマーカー 

モードからカジュアルまで“ファッションイラストレーター”の第一人者として時代を牽引してきた森本は自身の作品について次のように語っています。

「私の考えるファッションイラストレーションは、女の子が服を着ておしゃれをしている絵を描くことで、女の子のなりたいイメージを具体化したもの。

服そのものを見せる絵ではありません。描きたい世界を無駄のないシンプルな線で表現するスタイルを追求しながら、さらにリファインされた普遍的な絵を目指してきました。」

森本の活躍の場は雑誌の世界だけでなく、本の表紙絵や銀座松屋のクリスマス・キャンペーン(ポスターからショーウィンドウかまで森本カラーで染まりました)まで多岐に渡ります。


「ピチカートファイヴCDジャケットのための原画」 1997年
紙・墨・カラーマーカー

1990年代に入ると森本のもとへ、エンターテイメント関連の仕事が多数舞い込むようになります。「渋谷系サウンド」の代名詞でもあったピチカート・ファイブやカヒミ・カリィらのCDパッケージ・デザインは今でも当時のアイコンとして頭の中に焼き付いている方も多いはずです。

他にも、越路吹雪、篠原涼子、竹内まりや、矢野顕子、NickeyらのCDジャケットも手掛けました。当時は誰しもが、森本美由紀に自分を描いてもらいたと願ったのです。だって憧れでしたからね。


自転車キンクリーツカンパニー公演「ダイアルMを廻せ!」パンフレット原画 1994年
紙・墨・カラーマーカー

森本人気は女の子だけにとどまらず、映画「波の数だけ抱きしめて」(1991年公開、中山美穂、織田裕二主演)のポスターやパンフレットの広告媒体だけでなく、舞台セットも一部担当するマルチな活躍を見せました。(因みに映画の中にも手の先だけ出演しているそうです)

また、森本自身がこよなく愛したフランスの女優ブリジット・バルドー主演の映画のビデオパッケージも手掛けています。60年代、70年代のB級フランス映画が大好きだったそうです。好きなこと、好きな人をもちいて仕事に出来るなんて羨ましいことですよね!


「ツイッギー 原画」 2000年代
紙・墨

展覧会で実際に森本の原画作品を目にすると、その線のシンプルさに驚くはずです。頭の中にある「お洒落で素敵な女の子」をそのまま紙面に転写したような迷いのない線でもあります。

2013年に54歳の若さで急逝しました森本の真っ白なアトリエに残された作品が一挙公開されています。アメリカンコミックに挑戦したレア作品や森本のキャラクター“タマちゃん”も出迎えてくれます。


「E.T.baby」2000年頃
紙・墨

女子だけでなく、男子も存分に世代を問わず楽しめる展覧会です。因みに弥生美術館のすぐ近くには「弥生式土器ゆかりの地」碑があります。美術館の帰りは、東大の構内を通り本郷方面へ抜けるルートが個人的にお勧めです。

「ファッション・イラストレーター 森本美由紀展」
弥生美術館(東京都文京区弥生2-4-3)
会期:2015年7月3日(金)~9月27日(日)
開館時間:午前10時~午後5時 (入館は4時30分まで)
休館日:月曜日
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/


森本美由紀: 女の子の憧れを描いたファッションイラストレーター



(c)Miyuki Morimoto/森本美由紀 作品保存会