今はなき美女たちの残像…妖艶すぎる100年前の美女写真がすごい
この世に写真が登場してから、200年弱の時がたちました。原版が現存する世界最古の写真は1825年のものと言われています。もし、1755年生まれのマリー・アントワネットが長生きしていたら、その晩年の姿は写真として残っていたかもしれない、と思うと、写真の歴史は長いですね。
「馬引く男」1825年撮影
写真が一般に普及し始めたのは19世紀末、100年と少し前でしょうか。今回は、そんな近くて遠い19世紀末に現れて、ギリギリ“写真”という残像を残すことができた、神秘的な美女をご紹介します。
Cléo de Mérode. pic.twitter.com/9ypFJkdg4X
— shugmonkey (@shugmonkey) 2014, 5月 16
■ 「ベル・エポック」のナンバーワン美女と言えば…
19世紀末から第一次世界大戦勃発までの間、パリが繁栄し美しい装飾美術に溢れていた「ベル・エポック」と呼ばれる時代…女性たちは堅苦しいコルセットから解放されその美しいボディラインを披露し始めました。ロートレックやロダンなど様々な芸術家が活躍し、ココット、ドゥミ・モンデーヌと呼ばれる貴族・王族まで惑わす超高級娼婦や女優たちが夜の街を彩っていた華々しい時代に、不世出のナンバーワン・美女と呼ばれた伝説の女性が登場します。クレオ・ド・メロード。1875年生まれのフランスのバレリーナです。
Is there a movie / documentary on the life & times of Cléo de Mérode? There really should be. http://t.co/uTRS9E0cqe pic.twitter.com/dlXR9kcGNd
— Catherine Kustanczy (@catekustanczy) 2014, 9月 29
一説には、ベルギーの貴族「ド・メロード」家のオーストリア分家の血筋とも言われています。8歳からダンスを始め、21歳でオペラ座のバレリーナに。1896年に行われた美女人気投票で、著名な大女優などの強敵を抑えて、見事ナンバーワンに輝きました。
Photo: midwinter-tears: Cleo de Merode. Late 1890s. http://t.co/f5ibWDXgay
— A Cidade Branca (@acidadebranca) 2014, 8月 11
舞台を見たベルギー王レオポルド2世を虜にし、熱烈な片思いをされたという逸話も残っており、各国で皇族からも注目される世界的大スターでした。王の片思いはスキャンダルとして彼女の人生に影を落としましたが、それでも彼女の人気は衰えることを知りませんでした。
Cleo de Merodeというひとやばい…私が知る史上最も絵画的な美女…不世出…… pic.twitter.com/1QiKMzu8Cg
— Ophelia (@cat_in_a_cage) 2013, 12月 21
■ ライバルは大スター「聖なる怪物」
少し、妖気を感じるような不思議な美貌ですね。まさに絵画的であり妖精のように見えるので、早世したのかと思いきや、1966年までご存命、91歳の天寿を全うしています。1926年には、ドイツの映画「Frauen der Leidenschaft」に出演し、画家グスタフ・クリムトを魅了したと言われていますが、その頃には51歳。当時としては孫のいる年齢で、著名なアーティストを虜にする美貌が顕在だったことにも驚かされます。
La modernité de# Cléo de Merode#photography Reutlinger 1898. On la dirait sortie d'un défilé de J.P. Gaultier. pic.twitter.com/xC1RbDBhDM
— anna urli-vernenghi (@urlivernenghi) 2014, 5月 15
彼女はモデルとしても非常に人気が高く、ロートレックやドガなど著名な画家や彫刻家が彼女からインスピレーションを受けて、多くの作品を残しています。一方、ミュシャの絵画のモデルとしても有名な「聖なる怪物」と呼ばれる美人女優サラ・ベルナールには、常にライバル視されていたと言われています。
26 Mar 1923, saw the death of Sarah Bernhardt aged 78, once called "the most famous actress the world has ever known" pic.twitter.com/KY3d0TieWd
— On This Day In Film (@onthisdayinfilm) 2014, 3月 26
娼婦の娘として生まれ華々しいロマンスの噂が絶えなかったサラと、その生涯をバレエに捧げ独身をつらぬいたと言われるクレオという2大美女は、それぞれ際立った個性で「ベル・エポック」のパリを彩りました。
いかがでしたか? ハンサムな女、といった印象のサラと比べるとクレオは、黒髪に小さな顔、華奢な体系にキラキラした大きな瞳が可憐で、日本人好みの美貌ですね。自慢の黒髪をいつも真ん中で分けて徹底して耳を隠していた事から「耳が無いのでは?」と言う噂がたったと言われていますが、美しすぎることもある意味“異形”であるゆえに、当時としても、ミステリアスな存在だと思われていたのかもしれませんね。
(星野小春)