初詣帰りにふらりと中国庭園を散歩してきた。
いまトピアート部のyamasanです。
2023年も明けてしばらくたちましたが、今年もよろしくお願いいたします。
今回は、初詣客でにぎわう川崎大師に隣接する大師公園の中にある中国庭園「瀋秀園」をご紹介したいと思います。
川崎大師に初詣に行ったのは、子どもの頃、親の車に乗って初詣と車の祈祷に行って以来ですので、もう何十年ぶりのことになります。
いつも人出が多い正月三が日は避けていたので、今回も三連休の初日に行ったのですが、それでも多くの人で賑わっていました。
川崎大師 大本堂
「お大師さま」として親しまれる川崎大師の正式名称は、真言宗智山派・大本山金剛山金乗院平間寺、ご本尊は厄除弘法大師尊像です。
大本堂で無病息災を祈願してから、裏手にある大師公園に向かいました。
その大師公園の一角にあるのが瀋秀園。
瀋秀園は、昭和62年(1987年)に川崎市と中国遼寧省・瀋陽市の姉妹都市提携5周年を記念して造られた中国式自然山水庭園で、その名前には「瀋陽のすばらしい景色を集めた庭園」という意味が込められているのです。
瀋秀園の入口の堂々とした風格の獅子像は瀋陽市から寄贈されたものです。
以前、瀋陽に行った時に見た瀋陽故宮の門前にも立派な獅子像が鎮座していました。
瀋陽故宮を護る獅子たちと、こちら瀋秀園の獅子たちは瀋陽市、川崎市の両市の関係と同じく姉妹(兄弟?)だったのですね。
瀋陽故宮
瀋陽は、清朝第三代皇帝・順治帝が1644年に北京に入城するまで清朝の首都でしたので(当時の名称は「盛京」)、今でも城門など当時の面影を残す建物が市内に残されています。
前回は遼寧省博物館で北宋第八代皇帝・徽宗の《瑞鶴図》ほか中国絵画を見るのがメインで、街中を歩く時間はあまり取れなかったので、次回はぜひ瀋陽故宮はじめ市内を散策して旧跡も訪ねてみたいと思っています。
遼寧省博物館の展示の様子は、以前のいまトピのコラムで紹介しています。
歴史の波に翻弄された絵画の物語
https://ima.goo.ne.jp/column/article/9543.html
徽宗《瑞鶴図》遼寧省博物館
瀋秀園入口の門をくぐると、中庭には穴の開いたごつごつとした大きな石が並べられているのが見えてきます。
これは、中国江南地方の太湖という湖からとれる太湖石。石灰岩が水の浸食を受けて奇怪な形になったもので、中国では古くから庭園の観賞用に重宝されていました。
この太湖石も瀋陽市から寄贈されたものです。
瀋陽ではありませんが、中国江南地方の蘇州にある藕園の中庭には、ゆうに2mはありそうな太湖石が置かれていました。
中国・蘇州 藕園
中国では太湖石を巡って国が滅んだというとんでもない歴史もありました。
登場するのは、さきほどご紹介した「風流天子」徽宗皇帝。
徽宗は、太湖石をはじめ江南地方の珍木奇石を集めて都に運ばせ(「花石綱」)、それがこの地方の民衆を苦しめたのが原因で方臘の乱(1120~1121)が起こり、この混乱によって北宋は弱体化し、結局4年後に滅亡してしまったのです。
目の前に広がる秀湖にせり出している楼閣は知春亭。
京急川崎大師駅からずっと歩きっぱなしで足が疲れたので、ベンチに座って秀湖を眺めながら一休みしました。
このあたりは訪れる人もまばらで、近くに住む子供たちが追っかけっこをしたりしていい遊び場になっていました。
足の疲れもとれたので、回廊に続く藕香榭(ぐうこうしゃ)に向かいました。
藕香榭はじめそれぞれの楼閣は外見が立派なだけでなく、天井の木組に花鳥や山水画が描かれているので、ぜひ上を向いて天井の木組もご覧ください。
小高い丘の上に見えるのは欄翠亭(らんすいてい)。
欄翠亭からは瀋秀園が一望にできます。
ふらりとやってきて、一瞬のうちに中国の街中にある庭園に紛れ込んだような気分にさせてくれるこの景色もまた格別です。
春には中国の国花、ボタン、夏にはハス、秋にはキンモクセイ、冬には梅はじめ多くの植物で四季折々の変化を楽しませてくれるこの瀋秀園には、季節を変えてまた来てみたくなりました。
川崎駅チカでプチ・ヨーロッパ気分が味わえるラ・チッタデッラの紹介記事も書いてます。こちらもぜひご覧ください!
【祝・100周年】駅チカのエンターテインメントスポットでプチ・ヨーロッパ気分!
https://ima.goo.ne.jp/column/article/12074.html
川崎駅チカには、昨年(2022年)12月に開館3周年を迎えた川崎浮世絵ギャラリーもありますので、ぜひこちらにもお立ち寄りください!
伝説の浮世絵コレクションが帰ってきた!
https://ima.goo.ne.jp/column/article/7806.html
2023年も明けてしばらくたちましたが、今年もよろしくお願いいたします。
今回は、初詣客でにぎわう川崎大師に隣接する大師公園の中にある中国庭園「瀋秀園」をご紹介したいと思います。
川崎大師に初詣に行ったのは、子どもの頃、親の車に乗って初詣と車の祈祷に行って以来ですので、もう何十年ぶりのことになります。
いつも人出が多い正月三が日は避けていたので、今回も三連休の初日に行ったのですが、それでも多くの人で賑わっていました。
川崎大師 大本堂
「お大師さま」として親しまれる川崎大師の正式名称は、真言宗智山派・大本山金剛山金乗院平間寺、ご本尊は厄除弘法大師尊像です。
大本堂で無病息災を祈願してから、裏手にある大師公園に向かいました。
その大師公園の一角にあるのが瀋秀園。
瀋秀園は、昭和62年(1987年)に川崎市と中国遼寧省・瀋陽市の姉妹都市提携5周年を記念して造られた中国式自然山水庭園で、その名前には「瀋陽のすばらしい景色を集めた庭園」という意味が込められているのです。
瀋秀園の入口の堂々とした風格の獅子像は瀋陽市から寄贈されたものです。
以前、瀋陽に行った時に見た瀋陽故宮の門前にも立派な獅子像が鎮座していました。
瀋陽故宮を護る獅子たちと、こちら瀋秀園の獅子たちは瀋陽市、川崎市の両市の関係と同じく姉妹(兄弟?)だったのですね。
瀋陽故宮
瀋陽は、清朝第三代皇帝・順治帝が1644年に北京に入城するまで清朝の首都でしたので(当時の名称は「盛京」)、今でも城門など当時の面影を残す建物が市内に残されています。
前回は遼寧省博物館で北宋第八代皇帝・徽宗の《瑞鶴図》ほか中国絵画を見るのがメインで、街中を歩く時間はあまり取れなかったので、次回はぜひ瀋陽故宮はじめ市内を散策して旧跡も訪ねてみたいと思っています。
遼寧省博物館の展示の様子は、以前のいまトピのコラムで紹介しています。
歴史の波に翻弄された絵画の物語
https://ima.goo.ne.jp/column/article/9543.html
徽宗《瑞鶴図》遼寧省博物館
瀋秀園入口の門をくぐると、中庭には穴の開いたごつごつとした大きな石が並べられているのが見えてきます。
これは、中国江南地方の太湖という湖からとれる太湖石。石灰岩が水の浸食を受けて奇怪な形になったもので、中国では古くから庭園の観賞用に重宝されていました。
この太湖石も瀋陽市から寄贈されたものです。
瀋陽ではありませんが、中国江南地方の蘇州にある藕園の中庭には、ゆうに2mはありそうな太湖石が置かれていました。
中国・蘇州 藕園
中国では太湖石を巡って国が滅んだというとんでもない歴史もありました。
登場するのは、さきほどご紹介した「風流天子」徽宗皇帝。
徽宗は、太湖石をはじめ江南地方の珍木奇石を集めて都に運ばせ(「花石綱」)、それがこの地方の民衆を苦しめたのが原因で方臘の乱(1120~1121)が起こり、この混乱によって北宋は弱体化し、結局4年後に滅亡してしまったのです。
目の前に広がる秀湖にせり出している楼閣は知春亭。
京急川崎大師駅からずっと歩きっぱなしで足が疲れたので、ベンチに座って秀湖を眺めながら一休みしました。
このあたりは訪れる人もまばらで、近くに住む子供たちが追っかけっこをしたりしていい遊び場になっていました。
足の疲れもとれたので、回廊に続く藕香榭(ぐうこうしゃ)に向かいました。
藕香榭はじめそれぞれの楼閣は外見が立派なだけでなく、天井の木組に花鳥や山水画が描かれているので、ぜひ上を向いて天井の木組もご覧ください。
小高い丘の上に見えるのは欄翠亭(らんすいてい)。
欄翠亭からは瀋秀園が一望にできます。
ふらりとやってきて、一瞬のうちに中国の街中にある庭園に紛れ込んだような気分にさせてくれるこの景色もまた格別です。
春には中国の国花、ボタン、夏にはハス、秋にはキンモクセイ、冬には梅はじめ多くの植物で四季折々の変化を楽しませてくれるこの瀋秀園には、季節を変えてまた来てみたくなりました。
大師公園「瀋秀園」
所在地 川崎市川崎区大師公園1
交通機関 京急大師線「東門前駅」下車
またはJR川崎駅から市営バス「川03、04、05」系統で「台町」下車
開園時間 午前9時~午後4時
入場料 無料
休園日 毎週月曜日(月曜日が国民の祝日又は振替休日のときはその翌日)
12月29日~12月31日
川崎市公式サイト⇒川崎市 大師公園「瀋秀園」
所在地 川崎市川崎区大師公園1
交通機関 京急大師線「東門前駅」下車
またはJR川崎駅から市営バス「川03、04、05」系統で「台町」下車
開園時間 午前9時~午後4時
入場料 無料
休園日 毎週月曜日(月曜日が国民の祝日又は振替休日のときはその翌日)
12月29日~12月31日
川崎市公式サイト⇒川崎市 大師公園「瀋秀園」
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【祝・100周年】駅チカのエンターテインメントスポットでプチ・ヨーロッパ気分!
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伝説の浮世絵コレクションが帰ってきた!
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