【紅葉&絶景】北野武監督「Dolls」・漫画「ヤマノススメ」実は近所同士の“聖地巡礼”

2016/11/19 10:00 スージー小江戸 スージー小江戸



今年は「君の名は。」「シン・ゴジラ」がヒットして「聖地巡礼」が大流行、3つともユーキャン新語・流行語大賞のノミネート語に選ばれるという事態に!そこで、ちょうど紅葉が美しい季節なので筆者も「紅葉が印象深かった映画の聖地巡礼」に行ってみることにしました。

その作品とは2002年公開・北野武監督作品の「Dolls」

※画像はAmazonより(クリックすると商品ページへジャンプします)

元婚約者役の菅野美穂と西島秀俊が1本の赤い紐で結ばれ、日本の四季折々の風景の中をひたすら彷徨い歩く…。中でもDVDパッケージにもなっている秋の「紅葉」の色鮮やかさとともに作品を記憶している方も多いのでは。

この紅葉の聖地(=ロケ地)を調べてみると埼玉県飯能市の「白雲山 鳥居観音」という場所だそう。

飯能というと、やはり“聖地巡礼”が流行っている漫画&アニメ作品「ヤマノススメ」の舞台になっている街でもあります。


主人公の女子高生が地元・飯能の山や数々の山に登るうちに登山の面白さに目覚めていくストーリーですが、第5巻「三十四合目:山頂で見えるもの」で登る「棒ノ嶺(別名:棒ノ折山)」が、実は「Dolls」の紅葉の聖地と超ご近所同士!

位置関係は下記の地図で北側のうっすら赤いエリアが「白雲山 鳥居観音」、南側の黄色いエリアが「棒ノ嶺」ですが、歩いても15分くらいしか離れていません。



棒ノ嶺も紅葉の名所「有間ダム&名栗湖」を愛でつつ、登山道を登る(地図中の赤線)途中では埼玉とは思えない巨岩ゴロゴロの大自然と沢登りの冒険を初心者でも楽しめ、山頂には絶景パノラマが待っている人気の山。せっかくなんで両方とも聖地巡礼決定!さっそく元気があるうちに「棒ノ嶺」へ向かいます。

◆◆◆北野武監督「Dolls」の聖地巡礼を先に見る場合はこちら◆◆◆

■「ヤマノススメ」の聖地、棒ノ嶺(標高969m)

飯能駅(または経由地である東飯能駅でも可)からバスで約45分、START地点の「さわらびの湯」バス停に到着。バス停から少しくだっていくと、ここも聖地の1つ「日帰り天然温泉さわらびの湯」があるので帰りにオススメです。

棒ノ嶺へは道をくだらず、バスが通って来た車道をさらに奥へと歩いていきます。



道沿いの紅葉を見ながら7分ほど歩けば有間ダムと名栗湖が目の前に。



湖面に山や紅葉が鏡のように映り込んで絶景!ひとしきり堪能して左手の方向に進みましょう。



行く手の道沿いや斜面にも紅葉が鮮やか。「ヤマノススメ」では左側に書かれていますが、ダムの設備を右側に見ながら歩くこと約18分で白谷沢登山口に到着。



ここから棒ノ嶺へは登り約2時間、下りは別の「滝の平尾根」コースで約1時間50分、休憩やお昼の時間を除いて合計約4時間の道のり。では、いざ出発!



しばらくは暗い樹林の中。沢は遥か下だけど道は湿っていて狭く、木の根や岩も多く露出しているので滑落しないよう十分ご注意を。

登山口から25分ほど登り続けると沢が目線の高さに。と思ったら小さな滝が出現。



これがコース中3つあるうちの第1の滝「藤懸の滝」。いよいよ見どころと冒険気分が続く沢歩きがここから始まります!足元はこんな感じ…



防水シューズを履いて、歩く地点を選べばほとんど濡れることはないでしょう。ただし、増水している日は立入禁止ですね、潔く他の山へ行こう。

藤懸の滝から5分ほどで「牢門」と呼ばれる絶景ポイントに到着。



ゴルジュ!!!

何それ呪文!?通過する人たちが口々に言っていたこの言葉、調べてみたら…

ゴルジュとは地形を表す用語で「切り立った大きな岩壁にはさまれた狭い谷」のこと。もとはフランス語で「のど」の意味

だそう。牢門を抜けると苔むした大岩の間を何段にも流れ落ちる第2の滝「天狗の滝」が。



天狗の滝から振り返ってもまた大迫力。確かにノドっぽい?



ここ白谷沢の木々は、紅ではなく「黄葉」がほとんどだけどとても綺麗。深い峡谷の様相を呈してきた両岸とも相まって、ここホントに埼玉?という風景に。







トドメはこの鎖場。天狗の滝から10分ほどで現れる一番ワイルド、だけど危険な地点です。



悩ましいことに鎖場に並行して左側をほぼ垂直に滑り落ちている滝が第3の「白孔雀の滝」の一部。登りきると道標が立っていました。




こうして見ると鎖場の上がクジャクの羽と体で、垂直部分が尾なのかな?でも鎖場では登ることに集中していたのでもちろんじっくり鑑賞して想像している余裕はナシ。

滝の後、25分くらいは沢歩きが続きますが、唐突に林道に出て楽しい時間は終了…。



林道を横切りベンチの先の登山道から樹林帯が再開。しかも急坂!沢と滝でテンション上がって歩いていた40分間、全然感じていなかった疲れにドっと襲われることに。恐るべし、沢ハイ



でも、木立の間からチラ見えする紅葉には癒されつつ



林道から約15分ほどで巨大な「岩茸石」に到着。割れ目を掴みながら上に登れる~!



ちなみに、今回は沢から下山すると滑る&怖いので滝の平尾根コースで下りますが、岩の後ろ側(この写真で人が登っている側)からコースに入ります。分かりづらいけど細~い通路があるんです。



道標に従って棒ノ嶺方面へさらに登ります。左側が針葉樹、右側がキレイに色づいた広葉樹とパッキリ分かれているのが面白い。そして岩茸石から約25分ほど登り、



少し開けた場所に着いたらそこが「権次入(ゴンジリ)峠」。ここまで来たら山頂まであと20分。

荒れててとても歩きづらい木階段、滑りやすい悪路にも悩まされ…でも何とかそこを越えれば



着いたーーー!絶景の山頂!



遥か下に出発した名栗湖周辺が見え、



棒ノ嶺のシンボルともいえる山名案内板も。



ちょっとだけ紅葉もありました。



山頂は広々、山メシする場所にも困りません。画面中央左の大きな木は桜で、春には桜目当てのハイカーも来て賑わいます。

では、山頂の絶景パノラマぶりを動画でどうぞ!



さて、下山です。実は棒の嶺の山頂は埼玉と東京の県境上にあり、山頂にある道標「百軒茶屋・上日向」方面に下るか、権次入峠で「黒山」方面に下れば東京側に下山することもできます。

ただ今回は次の“聖地巡礼”を目指して先述の「岩茸石」まで戻り、道標「河又(バス停)」方向に従って滝の平尾根をくだります。ほぼすべてが樹林の中でちょっと寂しいコースですが、



3回横切る林道沿いにはどこも紅葉が色鮮やかに揺れていました。



林道で途切れても、続きのコース表示が近くにあるので大丈夫。山頂から約1時間50分かけて下山してくると登山道が終わり、眼前に入間川(名栗川)と紅葉の景色が広がります。



道なりに進んで、来た時のバス道路を飯能駅の方向に少し戻り「河又名栗湖入口」バス停方面へ。赤い「有間橋」を渡ります。



有間橋の上から見える風景もいい感じです。



橋を渡り終えたらこの看板の所で左の道に入り、今度は飯能駅とは逆の方向へ北上します。その県道53号線が「Dolls」の紅葉の聖地、「白雲山 鳥居観音」へ通じる道となります。

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