「言葉はいらない…I'll Be Back!」2PM、活動休止前最後の東京ドーム公演レポート

2016/11/3 20:30 西門香央里 西門香央里




2016年10月26日、27日の2日間、2PMの日本活動休止前の最後のコンサートが東京ドームで行われました。2PMは来年2017年より、最年長のジュンケイ(JUN. K)、そしてテギョンの2人が兵役で入隊予定、そしてその翌年(2018年)あたりからはウヨン、ジュノ、チャンソンの3人が入隊する予定で、彼らが「完全体」で揃うのは2020年とのこと。約3年間、6人での2PMが見れなくなるのです。

この「日本では最後」のコンサートがアリーナツアーの最終日の大阪で発表されて約半年。いよいよやってきたこの日…。長いようで短かった日々をファンはどんな気持ちで待っていたのでしょうか?

今回のコラムでは、2PMの日本での最後の東京ドームコンサートの2日目のレポートをお送りします。


■5年間を振り返る映像共に幕は上がる…

JUN. Kさん(@jun2dakay)が投稿した写真 -


東京ドームを埋め尽くす、Hottest(2PMのファンのこと、「ハレス」と呼ばれています)たち。たくさんのハレスたちが日本全国、そして韓国などの海外から駆けつけました。この日は、メンバーたちの家族や、所属事務所JYPの社長、パク・チニョン氏、そして各地のJYPのお偉い方々も来ていたとか。それだけこの日の公演は大事なものだったことが伺えます。

メインステージには、今回のコンサート名「THE 2PM」のロゴマークの入った幕が。このロゴマークは、アナログ時計の「2時」をモチーフにメンバーのニックンが考えたものだとか。時計の針が「2PM」の形になったデザインです。

開演時間ほぼジャスト、客電が消されます。真っ暗になったドームに、ハレスたちのペンライトかきらびやかに点滅する中、ステージにたくさんのダンサーたちが集まってきました。そして、2PMの日本シングル曲をアレンジしたメドレーを踊りだします。オープニングは、彼らの日本活動5年間を振り返るダンスからスタート

そしてメインステージの幕が落ちると、ステージ上段にはオーケストラが。そして、ステージの上部からクレーンに吊られた2PMが。思いがけない登場に、会場も盛り上がります。1曲目は韓国での人気を不動のものにした「Heart Beat」から。白地に赤い飛沫のような模様のスーツ、赤い手袋をはめ堂々と踊る2PMの姿は、8年という長い月日を重ねてきた貫禄を感じました

個人的な感想ですが、あのドームであんなにいいでコンサート聞いたの初めてというくらい、音割れもせずクリアな音を聞くことができました。どれだけ力を入れて音を作ったのでしょうか…。生バンドでもないのにいつも音は厚く、どの会場でも最上の音をというこだわりが2PMに感じ、いつも感心をするところだったりします。この日のコンサートも、最上の音を提供してくれました


■日本で通算100回目の記念すべきコンサート!

「I’m Your Man」、「GIVE ME LOVE」などの懐かしい曲を立て続けにパフォーマンス。そして「Promise(I’ll be)-Japanese Ver -」を披露。韓国で9月に発売されたアルバムのタイトル曲でもあったこの曲は、メンバーのテギョンが作詞作曲、そしてプロデュースをした曲。ファンへのメッセージを込めた曲でもありました。

「My House」の後のMCでは、この東京ドーム公演が実は日本公演通算100回目!というニュースが。

「大切な日に100回目なんて…偶然?スタッフは狙ったの?」

という会話もありながらも、彼らの節目にもなったこの日が100回目だったことに、会場も大いに盛り上がりました。日本で100回もコンサートをやってきてくれたことは、本当に素晴らしいことですね。

今回のステージは、メイン、センター、左右にサブステージ、そしてバックステージが花道でつながっているという構成。どの席も割とステージに近く、そしてそのステージを思う存分使っていました。他にもボールを放つバズーカー砲を備えたトロッコや、空高く上がるクレーンなど、ファンにとっては嬉しい演出がいっぱいで、ドームという大きな会場を逆手にとって使っていたような気がします。

東京ドームという大きな会場という利点を使ったLEDや、ライティングの演出は本当に美しく、メインステージのスクリーン、センターステージの床、などを含めたLEDの演出は、真正面の高い席から見てみたいと思わせるほど。特に、「Beautiful」のメインスクリーンの薔薇と、メンバーが立つセンターステージの床を舞う薔薇の花びらの演出はため息が出るほど美しかった…。

レーザーも大振る舞いで、DJタイムなどは、東京ドームが大きなクラブになったようでした。一つのエンターテイメントショーといった演出は、ドームならではだったのではないでしょうか。


■最後とは思わせないいつもの2PMがそこに!

東京ドームの衣装もアリーナツアーに続き、ウヨンが担当。今回もオープニングの赤と白をメインにしたスーツから、後半の蛍光色を挿し色にしたストリートファッションまで、様々なスタイルを取り入れてくれました。しかし、途中で履く金色のパンツ(エナメル製?)がとても暑いらしく

「暑いです。下半身が温泉のよう」
「ズボンの中は80度ぐらいあるよ」

と、ウヨンに訴えるメンバーに、苦笑いするウヨン。アリーナツアーでも衣装が「暑い」と訴えられていたウヨン。次はクールな衣装を…と言われていました。次のコンサートでの衣装にも期待!(クールになるかな?)

MCでは新曲のタイトルに合わせてファンに向けての「Promise(約束)」をメンバーしてくれました。
テギョンは「来年の挨拶をしにきます!」と。「あけましておめでとうございます」という言葉を言いにくると…約束してくれ、会場が大きな歓声で包まれました(ということは、テギョンは来年頭に何かやる?)

チャンソンは「2PMの活動休止の間に何かする」、ニックンは「いつかソロアルバムを作ります」、ジュンケイは「一番セクシーな写真をSNSにアップします」、ジュノは「死ぬまで歌うと約束します。死ぬときはステージ!」と約束。

ウヨンは「僕はいつもみなさんHottestのために…一生懸命…応援します!」と、ファンたちを「応援」してくれると、約束をしてくれました。頼もしい!

最後の公演とはいえ、MCの間の2PMの姿は相変わらずで、わちゃわちゃと身体の大きな子供達が遊んでいるようです。それでこそ2PM!メンバーをいじる姿も、ファンとかけ合う姿も、本当にいつも通りの2PMでした。


■東京ドームを埋め尽くしたメンバーカラーのペンライトを前に

JUN. Kさん(@jun2dakay)が投稿した写真 -


日本の曲から、韓国の曲まで新旧おりまぜて繰り広げられたコンサートも、日本でのデビュー曲だった「Take Off」で本編は終了。「2PM」コールが起こり、懐かしい映像とともにアンコールを待ちます。そして、ファンによるサプライズ。

東京ドーム全体が、ピンク、赤、緑、青、黄色、紫の2PMのメンバーカラーにパート分けされ、美しく光ります。いつものペンライトを消して…。アンコール1曲目で「離れてても」を歌うメンバー。目の前のファンからのサプライズをゆっくり見つめているようでした。

曲が終わると、「一緒に過ごした時間」とともにメインステージのスクリーンに映像が流れ始めます。そこには日本進出した時からの2PMの姿が。自分たちの若々しい姿を見ながら、メンバーの口々からいろんなコメントが飛び出したり、笑ったり…。彼らが頑張ってきた日本での時間は、たくさんの笑顔と思い出にあふれたものでした。映像が流れている間、ファンたちが「一緒に過ごした時間」が合唱。とても温かい気持ちになりました。

そして、メンバーからの最後の挨拶。

兵役に行くメンバーを見送り、一人残り2PMの留守を守るということになるニックンは、「皆さんと一緒に待ちます。一緒に応援しましょう!2PMファイティン!2PM Forever!」とファンと一緒に待ってくれることを宣言。ニックンのこの言葉はファンたちにも大きく響きました。

アリーナツアーの大阪ではたくさん泣いてしまったテギョンは、ウルっとしながらも「今日は泣きません!」とぐっとこらえ、「僕ら6人が戻った時には笑顔で戻ってきます!この笑顔を覚えててください!」と決めポーズ。最後に「浮気しちゃダメよ〜」と念押しを。最後に「笑顔」でというテギョンの思いを感じるMCでした。

「僕にとって一番の大きなプレゼントは、2PMです」とジュンケイ。そのひとことに、この6人の絆の強さを感じました


■言葉じゃなく歌で…「必ず戻る」と約束

最後のアンコール2曲、「Mayday」、「Ultra Lover」が終わり、各メンバーたちの「恒例の」ファンサービス。各ステージにメンバーが散らばり、ファンたちへ挨拶へ向かいます。いつもは最後の方まで挨拶をしているジュノは、気がついたらメインステージに戻り、ステージの階段に一人座り、会場を埋め尽くしたファンたちをゆっくりと眺めていました。この時、ジュノはどんな思いをしていたのでしょうか…。気がつくと、ウヨン、チャンソンも集まり、3人で会場を眺めていました。

「時間がないよ!」と、ファンサービスをする他のメンバーをメインステージに呼び寄せると、ここでメンバーが挨拶して終わると思いきや…

「言葉はいらないですね。歌で示します」

と、ジュンケイが言うと始まった「I'll Be Back」。

日本語で歌われるその曲の歌詞には、たしかに、彼らが私たちに伝えたいであろうメッセージが詰め込まれていました。なんの飾り気もなく全力で踊り歌う2PM。曲が終わると暗転。会場はファンたちが照らすメンバーカラーのペンライトだけに。そして、会場の明かりがついたとき…ステージにはメンバーの姿はありませんでした

涙涙で終わるかと思った日本での最後のコンサート。鮮やかにステージを去って行った彼らに、「必ず戻る」というファンたちへの強いメッセージを感じました。

17時半に始まって、21時半までコンサートをした2PM。気がついたら4時間経っていました。そんなに経ってたなんて気付かないくらいあっという間の時間。たくさんの時間を私たちと共有してくれました。

実はジュンケイがMCの時に「僕のインスタグラムにファンのメッセージを後でアップします」と、ステージで各メンバーからのメッセージを自ら撮影をしていました。そのメッセージは公演後にすぐにアップされました。

JUN. Kさん(@jun2dakay)が投稿した動画 -


それぞれの言葉で「愛してます」。そして、ドームいっぱいのファンたちの姿、公演中のメンバーの姿、短い動画の間にいろんな2PMの姿を残してくれました。

そして、最後の最後に歌で残してくれた言葉。

「I'll Be Back」

そう、2PMは必ずここに戻ってくると。最後の最後に伝えてくれたこの言葉を胸に、日本に帰ってくるまで信じて待つことができるでしょう。次に会うのは2020年。待ちますよ、一回りもふた回りも成長した2PMに会える時まで。

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(西門香央里)