「SHINee」vs.「2PM」デビュー8年目の“同期アイドル”を徹底比較!

2016/9/15 11:00 西門香央里 西門香央里




2008年にデビューしたSHINee2PM。この8年目を迎えた同期グループ2組が、「今年の秋にカムバックでガチンコか?」とちょっと話題になりました。

<SHINee vs 2PM、8年目のデビューの同期の秋戦争>
http://entertain.naver.com/read?oid=112&aid=0002844098

SHINeeと2PMはそれぞれ2008年5月と8月にデビューし、今年で8年目になった。 デビュー同期だが、追求するコンセプトやチームカラーは異なっている。 SHINeeが少年のイメージを代表していたが、2PMは男らしさを強調した。 お互いに違うスタイルで愛されてきた両チームが秋の歌謡界にどのような多彩さをプレゼントするか、帰趨が注目される。

と記事内。他にも「これはSHINeeと2PMがガチンコ対決か?」と思わせるものが多く書かれていました。

Mnetでは「SHINee vs. 2PM」なんていう対決投票まで…。



このガチンコ投票では2PMに軍配が上がりました。

結局、2PMが一足早く秋夕(チュソク:韓国のお盆。韓国人にとっては大事な行事)前の9月13日にカムバックすることが発表され、SHINeeは先日行われたソウルでのコンサートで、「秋夕後にカムバック」とMCで語りました。実際は「ガチンコ」とまではならず、数週間ズレてのカムバックということに。

このNAVERニュースのタイトルのように「8年目の対決か?」と言われてたわけですが、ほぼ同時期にデビューしたこの2組が、いままでどのようにここまでたどってきたのか…、ちょっと気になりますね。今回のコラムでは、シャヲルでありハレスでもある筆者がSHINeeと2PMをいろいろ比べてみることにしました。頑張って年表などを作ってみたので、是非最後まで読んでみてくださいね。


■コンセプト

グループによって「コンセプト」は違うもの。ほぼ同じタイミングでデビューしたSHINeeと2PMに関しては「正反対」といってもいいくらい違うコンセプトで攻めてきました。改めて確認してみましょう。

・SHINee→コンテンポラリーバンド

SHINeeのコンセプトは「コンテンポラリーバンド」。「コンテンポラリー」には「音楽、ダンス、ファッションなど全ての分野で現時代にあったトレンドを提示し、リードしていくチーム」という意味が込められているとか。「バンド」も楽器を演奏するバンドではなく、メンバー全員がボーカルパフォーマンスを披露できるという意味でのバンドだそう。

デビューから現在までの彼らの活動を見ていると、この「コンテンポラリー」に込められた意味がわかる気がします。特に、最近の彼らはすべてにおいてこの「コンテンポラリー」をしっかり体現したグループに仕上がってきたのではないでしょうか。


・2PM→野獣アイドル

2PMといえば「野獣アイドル」。今までのアイドル像になかった「男らしさを強調したアイドル」ということでついたコンセプトです。この「野獣アイドル」というフレーズは2PMと繋げてすぐ覚えてもらえる、という意味で本当にすばらしいものだと思います。

一般人でも「野獣アイドル=2PM」だと認識するくらいですから、彼らにとってこのフレーズは大きな武器になったと思います。そしてもちろん、彼ら自身もこの「野獣アイドル」という名前にふさわしい「男らしさ」を備えたグループであることは間違いないでしょう。


写真を見てもSHINeeと2PMは「正反対」といってもいいくらいタイプが違いますね。カラフルで少年らしさあるSHINeeと、落ち着いた色で男っぽい2PM。どちらもまったく違うからこそ面白い同期デビュー組だなと思います。


■メンバーの平均年齢

次に各グループのメンバーの現在の平均年齢を見ていきます。

・SHINee

オンユ 1989年12月14日(26歳)
ジョンヒョン 1990年4月8日(26歳)
キー 1991年9月23日(24歳)
ミンホ 1991年12月9日(24歳)
テミン 1993年7月18日(23歳)
--------------
平均年齢:24.6歳


・2PM

JUN. K 1988年1月15日(28歳)
ニックン 1988年6月24日(28歳)
テギョン 1988年12月27日(27歳)
ウヨン 1989年4月30日(27歳)
ジュノ 1990年1月25日(26歳)
チャンソン 1990年2月11日(26歳)
--------------
平均年齢:27歳

2016年9月時点での平均年齢を見ると、SHINeeは24.6歳2PMは27歳年齢差は約2.4歳。それぞれの長兄の年齢差は約2歳、、末っ子の年齢差は約3歳半。デビューした時のマンネ(末っ子)年齢がSHINeeは14歳(!)、18歳(チャンソンは早生まれのため)でした。2PMはデビューした時からすでに大人っぽかったけど、SHINeeはメンバーのほとんどが高校生でしたから、本当に若々しいグループでした。


■デビュー

それぞれのデビューについて振り返っていきたいと思います。ここでは韓国デビューと日本デビューを分けてみました。

【韓国デビュー】

・SHINee→2008年5月22日


Replay(누난 너무 예뻐)

SHINeeのデビューは2008年5月22日。「Replay(누난 너무 예뻐)」でデビューしました。当時のメンバーの平均年齢は約17歳。末っ子テミンにいたっては、まだ14歳の中学生!そんな若々しいグループがデビュー曲で歌ったのが韓国語で「お姉さんはとても綺麗」という意味を持ったタイトルのこの曲でした。しっとりした曲でのデビューだなんて、ちょっと只者じゃない。独特なダンスの振り付けは日本人の仲宗根梨乃さんが担当。この曲以降、SHINeeの振り付けを多く担当することになります。


・2PM→2008年8月29日


10 out of 10(10점 만점에 10점)

2PMのデビューはSHINeeのから遅れること約3ヵ月後の2008年8月29日。「10점 만점에 10점」は日本語で「10点中10点満点」という意味。今の2PMのイメージとは違い、若々しい軽快なダンス曲です。アクロバットを多用したダンスで彼らの身体能力を思う存分披露してくれています。当時は7人組でしたが、その後リーダーだったジェボムが脱退し現在の6人になります。2PMの歌、ダンス、ラップをリードするメンバーだっただけに、その後の抜けた穴はかなり大きかったよう。


【日本デビュー】

・2PM→2011/05/18


Take off

日本デビューは2PMの方が早く、2010年5月18日に「Take Off」でデビューをします。ポップで分かりやすく覚えやすいメロディーと、爽やかな白い衣装を身にまとった彼らは、すでに人気を得ていた本国での「ダーク」で「男っぽい」とは少し違うイメージになりました。当時、韓国の2PMしか知らなかった友達は、彼らの日本デビューのイメージに「え?あの野獣が!?」と驚いたそう。2PMはシングル曲は「ミダレテミナ」(韓国の「GO CRAZY!」と同じ)以外はすべて日本オリジナル曲。


・SHINee→2011/06/22


※埋め込みができないのでリンクになっています

Replay-君は僕のeverything-

SHINeeは2011年6月22日にデビュー。2PMより1ヶ月遅れてのデビューでした。デビュー曲は韓国の時と同じく「Replay」の日本語バージョン。2年前に発売したこの曲を録音しなおし、MVも日本仕様に撮り直しています(このMVには少女時代のユナが出演しています)このデビューの際、なぜかロンドンでデビューショーケースを行うという、異例の待遇。日本のファンには待ちに待ったデビューだっただけに、このCDの売り上げは現在のSHINeeの歴代1位を誇っています(約9万枚の売り上げ。CDの売り上げについては後述します)。


■8年間の活動を時系列で比較

ここでは8年間の2グループの活動を時系列で表にしてみました。長いので2008年〜2012年の前半分と、2013年〜2016年までの後半分で分けてみました。赤文字が韓国活動、青文字が日本活動です。

【2008年〜2012年】


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2008年にSHINee、2PMと共にデビューをし、しばらくは韓国で精力的に活動していきます。細かいイベント参加やテレビ番組の情報はありませんが、いろんなところにたくさん出演していたよう。2009年まではほとんど韓国での活動がメインでした。

2010年12月26日にSHINeeが一足先に日本での初コンサート開催します。これはアジアツアーの一環でしたが、ここからSHINeeの日本活動が始まったわけです。2PMはそれから約1年後の12月8日にスペシャルアルバムとショーケースを開催し、日本活動を開始します。

ここから2つの年表の方も、青文字がどんどん増えていくのがわかりますね。2011年〜2012年はSHINeeも2PMもほとんど日本活動をしていたようです。それにしたって、日本の活動は意外とハード…(韓国はカムバからグッバイまでの間は恐ろしいほど忙しいですが…)


【2013年〜2016年】


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2013年はSHINeeは韓国活動と日本活動を交互にうまく行ってきたようです。2PMはアルバムの発売とソウルコン(アジアツアーも)があるものの、日本ツアーが開始され、ほとんど日本で活動をしていたようでした。

どのグループにも言えることですが、日本ツアーが入るとどうしても日本の活動期間が長くなるので、こういうことはありがちですね。韓国ではコンサートツアーというのはほとんどありません。SHINeeの場合、2014年9月に開始したホール&アリーナツアーは30公演という数だったので、これは長いツアーになりました。


2組とも日本デビューをしてからは、音源発売、コンサートツアーなどで、日本に費やす時間が多くなるためか、年表も青文字が多くなったのがよく分かる結果でした。

そして、この年表を見るとわかるのですが、韓国においても日本においても、全く同じタイミングで音源をリリースしたのは韓国での2回だけ(2008年8月28日&29日と、2010年10月3日&4日)で、2011年以降は1回もなかったようです。


■8年間の音盤売上枚数を比較

最後は音盤(CD)の売上の比較をしてみたいと思います。韓国の場合は、デジタルダウンロードが主流ということもあり、音源と音盤では売上がだいぶ違います。今回は日韓の「音盤」の売上を比較して見てみます。

韓国のデータがバラバラですが、Wikipedia、Hanteo、Gaonで現在公表されている「年間チャート」の枚数を使用しています。今回のデータに関しては参考値ということでご了承ください。数字のデーターで見るのは結構シビアですが、大事なことなので今回は書いてみました。


【韓国編】


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・SHINee

SHINeeは2008年5月に「Replay」でデビューし約3万枚を売り上げています。その後「ROMEO」「2009, Year Of Us」とリリースしますが、この時の売上数2万〜3万前後と、ブレイクとは言い難い枚数。デビューアルバムの「The SHINee World」は約8万枚の売り上げでした。

その後、2010年7月に発売した「Lucifer」が23万枚以上という枚数を売っており、CD売上が不振な韓国において約2週間で10万枚を超えたということで、当時ニュースにもなりました。SHINeeがブレイクしたのはこの「Lucifer」からということでしょうか。

また、SHINeeの場合、音盤を出すと追加曲を入れた「リパッケージ盤」を販売するのが常で、それもあり売上が倍になっているということも考えられますね。一番売れたのは「The Misconceptions 1&2」で、それぞれまったく違う収録曲を入れ、発売日をずらし、この2枚を買って「完成形」になる異例のアルバムでした。


・2PM

一方、2PMはデビューミニアルバムの枚数はデータが見つからずわからないのですが、2009年発売のミニアルバム「2:00PM Time For Change」では約6万枚を売上。1stアルバム「01:59PM」(約11万枚)に収録された「Heart Beat」は約120万回の音源ダウンロードがあり、この曲でブレイクしたという感じでしょうか。2009年は「その年の顔」とまで言われ、2PMの勢いが凄かったようです(2ndミニアルバムの数値については「9万枚」という話もあるのですが、今回はHanteoの参考値です)

その後、2PMで人気のあったジェボムの脱退騒動があり不買運動などもありましたが、「HANDS UP(ダウンロード数約280万回)」がブレイク。この曲を収録した「HANDS UP」で11万枚の売上を出し、その後は安定した枚数を出してきます。

ところが、2014年に発売した「GO CRAZY!」から一気に全盛期の半分まで売上が下がり(約5万枚)、「No.5」では少し盛り返したものの約6万枚の売上に。2PMは「2012年あたりから日本活動を熱心にしていたので、その影響か?」ともよく言われますが、韓国の友人からは「2PMはもう古い」という話も聞きますし、世代交代ということなのでしょうか…。


総合すると、2PMの方が韓国では先に受け入れられ、ブレイクをしたようですね。韓国の友人などに話を聞くと、当時は誰もが2PMを知っていたということなので、本当に人気があったことが伺えます。一方SHINeeはデビューから2年目の「Lucifer」で一気にブレイク。一度聞いたら忘れられないフレーズが話題になりました。彼らはその後も継続して枚数を売っています。


【日本編】

続いて日本の音盤売上を見ていきましょう。


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・SHINee

2011年8月に出したデビューシングル「Replay-君は僕のeverything-」の売上は約9万枚。リリイベの応募券が封入されてたようですが、それだけではなくSHINeeの日本デビューを待っていたファンが多かったこともありそうです。その後は4万〜5万枚のあたりをうろうろすることが多いようですが、歴代で一番売上たのは2015年3月に発売した「Your Number」の13万枚で、握手会+ドームコンのチケット付き販売分の売上が入ってるとのこと。

アルバムの方は、一番売れたのがデビューアルバム「The First」。この時はリリイベの応募券が封入されたようです。その後は残念ながら、少しずつ下降気味…。SHINeeはコンサートツアーをすると、争奪戦になるくらい人気なのですが、ツアー動員が音盤の売上には反映されないということもあり、なぜCDが売れないのか…というところが課題のようです。


・2PM

2PMはデビュー曲の「Take Off」からシングルを出すごとに各メンバーとハイタッチができるトレーディングカードを封入してきました。そのためか、3枚目の「Ultra Lover」以降は軒並み10万枚以上の売り上げ。2PM自体の日本でのブレイクはネクタイダンスで有名になった「I'm Your Man」ですが、現時点での最高売上枚数は「Beautiful」で約16万枚です。入隊前に「最後のシングル」を出すのかが気になるところ。

アルバムの方はハイタッチ券の封入はなく、1stアルバムの「Republic of 2PM」で7万枚を売上げて以降、6万枚以上の数をキープ。入隊前の日本最後のアルバムとなった「GALAXY OF 2PM」はアルバムで初めてハイタッチ券を封入。「最後」というのも加わってか、最高の13万枚の売上を出しました。2PMはファンが必ず買ってくれるという傾向があるのか、販売数に大きな変動があまりないですね。


日本でも2PMの方が先にブレイクして、そのままその人気を持続しているようです。実際、彼らの知名度は一般人にも浸透しているのが面白いところ。それは彼らが日本でテレビに出たりなど精力的に活動してきた結果とも言えそう。SHINeeはそういう意味では日本の一般人への名前の浸透力がないのが残念。また日本では音盤の売り上げが上がらないところが辛いところ…。


■そして8年目のカムバックは?

「ガチンコか?」と言われた今年秋の2グループのカムバック。前述どおり、活動してきた8年間でカムバックが丸被りして「ガチンコ勝負」ということはほとんどありませんでしたから、今回はどうなるのか注目されていました。

結局は、2PMが一足早く9/13にアルバム「GENTLEMEN'S GAME」をリリースしカムバックをしました。タイトル曲「Promise(I’ll be)」はメンバーのテギョンが作詞・作曲を手がけた作品になっています。このMV、「大人の成熟した2PM」をアピールするために、なかなかギリギリな演出に仕上がっていて(とくにJUN. Kの○○シーン)、それがファンから賛否両論を引き起こしています。ある意味2PMらしいのですが…。

SHINeeは「秋夕後にカムバック」とは公言したものの、9/14時点でのカムバックの告知はなし。今年の韓国の秋夕は14日~16日までなので、予想ではその翌週あたりか?と言われていましたが、カムバックの1週間前には告知、ティーザーが出ることを考えると、翌週のカムバックはないのかもしれません。ソウルコンでオンユが足を負傷したということもあり、所属事務所からは「経過を見ながらカムバックの時期を考える」というコメントも出ていますし、もう少し後になるのかもしれません。

結局、SHINeeと2PMのガチンコ対決はなくなったわけですが、こういったこともしばらくなくなるのかと思われます。というのも、2PMの今回の音楽活動は、メンバーの入隊前「最後の音楽活動」となるからです。彼らが完全体で戻ってくるのは2020年という話。そのころにはSHINeeの入隊も始まっているので、この2つのグループが音楽活動で「ガチンコ」をすることは、当分はないということになるでしょう。筆者としてはこの秋のカムバックのガチンコ、あってもよかったかな?と思ってたのですが、どうでしょう?

最後に、ファンの賛否を醸した2PMの新曲「Promise(I’ll be)」のMVで〆ます。本当はSHINeeの新曲も一緒に紹介したかったのですが、今日までに発表されず残念!

▼2PM「Promise(I’ll be)」


それでは、また!アンニョ~ン♪

■参考記事:
https://ja.wikipedia.org/wiki/SHINee
https://en.wikipedia.org/wiki/Shinee_discography
https://ja.wikipedia.org/wiki/2PM
https://en.wikipedia.org/wiki/2PM_discography
http://music-book.jp/music/news/news/118979
http://entertain.naver.com/read?oid=112&aid=0002844098
http://www.excite.co.jp/News/music/20100809/E1281338316350.html

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(西門香央里)