究極のモフモフ球体! 動く謎毛玉サバクキンモグラの可愛さを堪能

2016/4/7 16:00 星子 星子





みなさんは、サバクキンモグラという“いきもの”をご存知ですか? その名の通りアフリカやナミビアの砂漠に棲息するモグラなのですが、「どんな“いきもの”なのか? 」と聞かれ、ひとことで表すなら“丸い毛玉”としか言い様がありません。



人間を含む動物の可愛さは目に集約されていたりしますよね。つぶらな瞳や、澄んだ瞳を持つ動物は、愛らしいものです。ところが、掟破りのサバクキンモグラは、可愛いくせに目がありません。ひたすら穴を掘って生活する彼らには目は必要なかったようで、自然と退化してしまったようです。



7から8.5センチメートルと16〜32グラムと小さく、ちょうどハムスターのような手のひらサイズ。上から見るとお饅頭のような形をしています。モフモフの体毛は背中が灰褐色でお腹が黄褐色、特に幼獣はツヤツヤと光沢があり、光に当たると金色にも見えます。



ハムスターのようなしっぽも無いので、地上で動く姿は謎のモフモフ球体。動画でつまみ上げられる姿もシュールな可愛さで、目も尻尾も無い丸い毛玉がムニムニと体を捩る姿は動くお餅のようです。



尻尾や目は必要が無いので退化してしまいましたが、その分、爪は発達しています。一晩で、45m以上を掘り進んだ跡が見つかったという報告もある穴掘り上手で、クモや昆虫や、小型の爬虫類を捕食する肉食な一面も。地上にいる捕食対象を地下の穴に引きずり込んで食べるという、アリジゴク的な狩りのテクニックも持っています。



また、聴覚も発達しており、獲物の動く振動を察知して昆虫を補食することもあります。繁殖は10月と11月に起こるとのことですが、近年は個体数が減ってきているようです。



モフモフした哺乳生物をとことんシンプルな形にした、究極の球体サバクキンモグラ。めったに地上に出ることの無い“いきもの”ですが、ユーチューブ動画などで隠れにファンの多いレア生物。ご興味のある方は、“サバクキンモグラ”もしくは“Eremitalpa granti”で、見れば見るほど不思議な気分になる動画を検索してみてください。

【参考】

※ Eremitalpa granti Grant's golden mole - animal diversity web

(星野小春)