二宮和也「戦争知るきっかけとなれば」第89回キネマ旬報ベスト・テン授賞式

2016/2/13 20:30 いまトピ編集部 いまトピ編集部


2015年度キネマ旬報ベスト・テンの表彰式が2月12日(土)東京・文京シビックホールにて行われ、深津絵里、二宮和也、広瀬すずら受賞者が登壇した。



今回で第89回を数える2015年度キネマ旬報ベスト・テン。
日本映画監督賞、日本映画脚本賞とダブル受賞となった「恋人たち」の橋口亮輔監督。主演女優賞には深津絵里、主演男優賞には二宮和也、助演女優賞に黒木華、また映画には7年ぶりの出演となった本木雅弘が助演男優賞を受賞した。




主演女優賞に輝いた深津絵里は、役柄ゆえ霊のようなものを感じたことがあるかと聞かれると「クリアには見た事がないけれど見守ってくれている」と晴れやかな表情で語った。

主演男優賞を受賞した二宮和也は
「1月に20日に映画館でみまして、ちょうどサービスデーで(笑)すごくいい映画でした」と笑いを交えながら語ったが、作品のことに及ぶと顔をきりっとひきしめた。

「色々思うことは沢山ありますし、自分はこの作品に出ている理由っているのは、やっぱりこの若い方たちに戦争というものを改めて学んでいただくひとつのきっかけになればいいなと、そういう責務が自分にはありましたので、ちょっとでも叶ったんじゃないかなと、それと同時にこのような素晴らしい賞をいただけたんじゃないかなと思っております。これからもですね、この賞に恥じる事のないようにさらに精進して行ければと思っております」
朝、嵐のメンバーと一緒だったという二宮。受賞をつたえると反応は意外にもクールだったという。セリフは録音を聞きながら覚えていたこと、また共演した吉永小百合については、全ての人にやさしく接するパブリックイメージをはるかに超越していた対応や心の広さが印象に残っていると振り返った。

「映画には数えるほどしか出演したことがなくて、多分見る時間の方が長い」と二宮。俳優として映画にカムバックすることを誓った。


「おくりびと」以来、7年ぶりの映画となった本木雅弘も、「不器用な人間」とコメント。3年がかりで撮影しているNHKドラマの収録など、複数を掛け持ちすることが苦手としていた。日本映画史上初の天皇の役を演じることになったことを義母の樹木希林に相談し、「気楽に受ければいい」とアドバイスされたことを語った。





監督賞、脚本賞のダブル受賞となった橋口監督は、
「オーディションをかねたワークショップをしている時には一人もスターがいなかった」
と語る一方で、篠原篤の新人俳優賞の受賞を喜んだ。

篠原篤は、橋口監督はじめ周囲のスタッフらに向けて感謝を伝えた。
「沢山ちからを与えてくださいました。家族と今日の喜びを分かち合いたいと思います」と、広瀬すずの倍の年齢ほどの受賞であることや、クランクアップしてからも役が抜けなくて大変だったことをしみじみと語った。
また、司会のフジテレビ笠井アナから振られ、「ニノシノ」の握手が実現。笑顔での受賞となった。

橋口監督の「身を削って作った映画」という言葉に共感した登壇者が多く、感慨にふけっていた。


出演作品と受賞者は以下のとおり。
2015年 第89回キネマ旬報ベスト・テン
【個人賞】
日本映画監督賞  橋口亮輔 「恋人たち」
日本映画脚本賞  橋口亮輔 「恋人たち」
主演女優賞  深津絵里 「岸辺の旅」「寄生獣 完結編」
主演男優賞  二宮和也 「母と暮せば」
助演女優賞  黒木華 「母と暮せば」「幕が上がる」「ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判」
助演男優賞  本木雅弘 「日本のいちばん長い日」「天空の蜂」
新人女優賞  広瀬すず 「海街diary」
新人男優賞  篠原篤 「恋人たち」
外国映画監督賞  ジョージ・ミラー 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
(キネマ旬報ベスト・テンより抜粋)


(取材/いまトピ編集部 田幸)