『あさが来た』に続け?ドラマ化したい昭和初期の美少女達

2015/12/24 12:00 星子 星子



2015年も終わりに近づきましたが、本年度後期のNHK連続テレビ小説「あさが来た」は、2014年度前期「花子とアン」の最高25・9%、13年度前期「あまちゃん」の最高27・0%を抜き去り、予想以上の高視聴率を記録しました。

女優・波瑠が演じる主人公“あさ”のモデルに、広岡浅子という、一般的には知名度が高くないながら波乱万丈な人生を送り偉業を達成した女傑を発掘してきたことも、人々の興味を引いた一因ではないでしょうか。

今回は、過去の美女コラムのまとめも含め、是非ドラマ化して欲しい波瀾万丈な人生を生きた美女をピックアップしてみたいと思います。

■ 戦前のAKB?ムーランルージュの清純派トップアイドル明日待子

一人目は、明日待子。昭和初期に、今でいうところのAKB48を思わせるような美少女ダンサー集団、「ムーランルージュ」のトップアイドルとして活躍し、抜群の好感度で数々の広告にも起用された美少女です。



戦中・戦前の日本でも、“会いに行けるアイドル”として若者を熱狂させた身近でかわいい美少女グループ。フランスのパリ市内、モンマルトルにあるキャバレー「ムーラン・ルージュ」の名を冠した劇場、「ムーラン・ルージュ新宿座」には、艶っぽい美女から清楚な美少女まで数々の踊り子が凌ぎを削り、六大学の学生や教授をはじめ、昭和初期を代表するような作家や文化人までも熱狂させていました。

その中でも明日待子は特に個性が際立っており、幼く愛らしく元気いっぱいの女の子。キュートな童顔の万人受けする少女でした。下記の写真左のオカッパ少女が明日待子です。右側の姫宮接子のほうが、しとやかな魅力溢れる正統派美女ではありますが、近寄りがたい美女より、隣の家の女の子、といった幼く清純な愛嬌たっぷりの少女のほうに、より人気が集まるのは、戦前も今もあまり変わらないようです。



モダンな街、新宿で、数々の著名作家や文化人にも愛された「ムーラン・ルージュ」。志賀直哉、菊池寛、西条八十、金田一京助、斉藤茂吉なども顧客であったと言われており、その中でも斉藤と金田一の“推しメン”は明日待子だったとのこと。数々の実在の美少女とともに、そういった歴史に残る有名人を脇役として登場させることができるあたりは、まさに朝ドラ向きではないでしょうか?

2011年にはムーランルージュ新宿座生誕80周年を記念したドキュメンタリー映画『ムーランルージュの青春』が公開され、現在は北海道札幌市内で正派五條流宗家家元、五條珠淑として今も舞台に立ち、後進の育成に励む凛とした老婦人となった明日待子も登場しました。



時代は昭和初期、太平洋戦争に突入する波乱の時代を、明るくキュートに駆け抜けた明日待子。まさに朝の顔にピッタリで、もし朝ドラのモデルとして起用することが決まれば、「あまちゃん」のようにフレッシュな美少女を数多く発掘する話題のドラマになりそうですね!

■ ワールドワイドに活躍した大正生まれ天才美少女 諏訪根自子

2人目の美女は、「ベルサイユのばら」の作者、池田理代子の漫画に出てくるような、現実とは思えないほど華々しい劇的生涯を生き抜いた天才バイオリニスト諏訪根自子です。大正9年生まれの彼女が、セーラー服でバイオリンを抱える姿は、あまりにも現代的で、整いすぎた顔立ちは修正技術の無い時代としては奇跡的に思える程の美貌です。



少女時代にロシアの宮廷楽団の楽長をつとめたアレクサンドル・モギレフスキーや、ヴァイオリニストの小野アンナを師事し、瞬く間に頭角を現した彼女は、来日したエフレム・ジンバリストの前でメンデルスゾーンの協奏曲を披露し名声を得て1931年、新聞に「天才少女」と紹介されます。



ベルギー国王らにも請われ1936年ベルギーに留学し、ヨーロッパ・デビューをはたし、 第二次世界大戦が勃発するとドイツに渡り、ベルリン・フィルとも共演、ゲッベルスからバイオリンの名器「ストラディバリウス」を贈られたという逸話も伝えられています。



美青年揃いのドイツの将校と談笑している若かりし頃の写真が残されていますが、まるで映画のワンシーンのような瞬間を捉えており、凛とした気品と華々しい雰囲気に圧倒されます。



また、かのリンドバーグとも並び称され、世界的な名パイロットとして称賛されると同時に、美男と誉れ高く、三十才の若さで早世した飯沼正明飛行士との交流など、ドラマ的にも盛り上がりそうな要素も満載です。あまりにも華麗な人生は、朝ドラというより「開局×周年スペシャルドラマ」といった枠向きにも思えますが、登場人物があまりにも美形すぎて、どの女優をどの役に当てるか想像するだけでもテンションが上がってしまいます。



みなさんの中にも、男女問わず“何故この人がドラマ化されていないんだ!”と密かに思ってしまうような“押し偉人”が存在したりしますでしょうか? そんな人物の人生を思いながら、「自分だったら、この俳優に演じて欲しい」など、想像してみたり、SNSなどで語り合ってみるのも、楽しいかもしれませんね。



(星野小春)



■「近代芸能史を彩る美女たち」記事一覧
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【参考】

※ アイドル国富論: 聖子・明菜の時代からAKB・ももクロ時代までを解く-境 真良 (著)  

※ 幻の近代アイドル史: 明治・大正・昭和の大衆芸能盛衰記 (フィギュール彩) - 笹山 敬輔 (著)  

※ 91歳で銀幕復活!「ムーラン・ルージュ」の明日待子 - ZAKZAK  

※ 美貌なれ昭和―諏訪根自子と神風号の男たち - 深田 祐介 (著)