藤田朋子の『本来ならば満月』第八回『私が旅先でしたい3つのこと。』

2014/11/3 10:00 藤田朋子 藤田朋子




旅公演、旅番組、ドラマのロケ…

私が仕事で行く先々で、必ずしたいこと。
是非、したいこと。

まずは、観光地でのスタンプ探し。

駅。またはサービスエリア、観光地で、記念スタンプを探す。
そして持参のスタンプ帳に、入魂の押印。
二度押し、押し直しなし。

この作業の為に、駅に着いて、改札出るときに、団体で動いていても、ちょっと先に出てスタンプを探してます。
もしくは、列から離れて探してます。
サービスエリアなどでは、トイレ休憩なのに、まずはスタンプ探し。
慣れたもので、なんとなくどこらへんにあるのかは、嗅覚で分る。
私のこの慣習を知っている仲間は「あそこにあったよ」と教えてくれます。

このスタンプ、最近はシャチハタのスタンプ等が増えて、なかなかインクの加減が難しい。
ゴム印で、自分の力で押すのは、体重全部かけて、ちゃんと押します。しかし、あんまり押し過ぎて、スタンプの取手を折った事ありました。すみません。真剣なもんで。

歴史のある旅館などは、すり切れたゴムの絵に、哀愁を感じます。


それからご当地のソフトクリームを食べる。

近々では和三盆ソフトが心から美味しいと思った味。
珍しかったのは、松坂のシルクソフト。
絹のなんかが入ってるミルク味のソフトクリーム。
薔薇のエキス入りのものや、しらすがそのまま入っていたシラスソフトも珍しかった。
海ほたるでの落花生ソフトは、落花生のカケラが入っていてピーナツバターのようで美味しかった。

ご当地の塩、糖類系などが増えてきました。
ベースはバニラでも、味が違う。
着色料ではごまかせない、ならでは感があります。
フルーツ系などが入ると、ソフトというよりはジェラートになったものもあります。

これは同じ販売所に2種類以上あるときに、頭を抱えつつ、2つ買って、誰かと分けて食べます。
どうしても、食べてみたいのです。


それから近くの城にのぼる。

出来れば天守閣があるといいなあ。
出来れば、当時のままの大きさのものがいいなあ。
出来れば、入り口にスタンプがあるといいなあ。
そこに吹く風、そこから見える山や海、川は、その昔と同じだと思うと、悠久の時を感じ、その場所に来た実感と幸せを感じます。


この三つが、私が旅でしたいこと。
そして、この三つが出来れば、他の事はオマケくらいに思えるのです。


今、地方巡業中。
公演地に着くと、スタンプ帳を握りしめ、ご当地グルメを見回し、近郊の地図から城を探す。


この繰り返しの合間に公演…
あ、違った。
違うね。うん、違う。

公演の合間に、城巡り。
そうだった、そうだった。


仕事あっての私の趣味。
大切な、小さな想い出作り。


(藤田朋子)